- 2025/03/07 掲載
トランプ氏、加・メキシコ関税4月2日まで猶予 貿易協定対象品
Katharine Jackson
[6日 ロイター] - トランプ米大統領は6日、今週発動したメキシコとカナダに対する25%の関税について、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」対象の製品に関しては4月2日まで関税を免除すると表明した。
度々変化する貿易政策によって金融市場が不安定化し、インフレ加速や成長減速を巡る懸念が高まっている。
トランプ氏はこれに先立ち、自身のソーシャルメディアで、メキシコのシェインバウム大統領と協議したと明らかにし、4月2日まで「USMCA協定の対象であるいかなる製品についてもメキシコは関税を支払う必要はないことで同意した」と述べていた。
当初は対メキシコ関税の免除にのみ言及していたが、その後に署名した大統領令の修正ではカナダも対象とした。
これを受け、カナダのルブラン財務相は1250億カナダドル相当の米国製品に対する報復関税第2弾を4月2日まで延期するとXへの投稿で述べた。
カナダに関しては、米農家にとり重要な肥料であるカリ(炭酸カリウム)も関税適用から除外される。一方、10%の関税を発動したエネルギー製品については、大統領令修正が全面的には適用されない。ホワイトハウス当局者はこれについて、カナダから輸入するエネルギー製品の全てがUSMCAの対象というわけではないためと説明した。
ラトニック米商務長官はCNBCで「4月2日には相互関税を導入する。それまでにメキシコとカナダが合成麻薬フェンタニル問題で十分な対応をすれば、この部分の話し合いはテーブルから外れ、相互関税の協議だけに移れる」と発言。「だが十分な対応をしなければ、これは続く」と述べた。
トランプ氏はまた、鉄鋼とアルミニウムに対する25%の関税は予定通り今月12日に発動するとした。
6日の米国株式市場では再び売りが進んだ。投資家は関税を巡る急激な動きによる不確実性の高まりを懸念。エコノミストは関税の影響でインフレが再燃し、需要と成長が鈍る恐れがあると警告している。
GW&Kインベストメント・マネジメントのグローバルストラテジスト、ビル・スターリング氏は「特にメキシコとカナダに対する関税の発動と撤回が繰り返されていること」が市場に不確実性を生み出していると指摘。
「不確実性が非常に高いとき、企業経営者の合理的な経済的対応は何もせず、決定を先送りすることだ」とし、「米国やカナダのどこに自動車工場を建設するか、今どうやって決定できるだろうか」と述べた。
トランプ氏の発表前、カナダのトルドー首相は記者団に対し「米国が開始した貿易戦争は当面続くだろう」という見通しを示した。
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