- 2025/03/07 掲載
ユーテルサット株、最安値から最大7.5倍に 「ゲームストップ効果」か
先週は最安値水準で推移していたユーテルサットの株価は、今月5日に前週末の6倍まで上昇。6日には前日比で18%上昇し、時価総額は40億ユーロ(43億ドル)を超えた。ただ6日終値では11%安となった。
2月28日の首脳会議でウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ米大統領が報道陣の前で口論し、米国がウクライナへの軍事支援を一時停止したことが、ユーテルサットの株価に火を付けた。
スイスの証券会社ケプラー・シュブルーは、個人投資家のレバレッジを効かせた賭けに出たことでスイングトレードが増幅し、巨額のショートカバーを引き起こして「フランス版ゲームストップ効果」を生み出した可能性があると述べた。
米ビデオゲーム小売企業のゲームストップを巡っては2021年、「ミーム株」ブームの火付け役とされる株式インフルエンサーのキース・ギル氏が購入したことを発信し、個人投資家らが熱狂的に続くなどして株価が乱高下した。
個人投資家に人気のあるドイツの株式取引サイト「トレードゲート」では、ユーテルサットが今週最も注文の多かった銘柄の1つとなり、6日には首位の銘柄となった。
一方、格付け会社フィッチ・レーティングスは6日、ユーテルサットの長期発行体格付けを引き下げ、見通しを「ネガティブ」とした。同社が2032年まで42億ドルと試算される追加資金が必要になるとの見通しを示した。
ロンドンのTFSデリバティブの株式ストラテジスト、ステファン・エコロ氏は「ユーテルサットは個人トレーダーが好む銘柄だ」とし、「ヘッジファンドはショートカバーに利用しており、株価の売り持ち(ショートポジション)が抑制されている」との見方を示した。
ユーテルサットは株価に関するコメントを拒否した。
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