【ニューヨーク時事】米金融大手６社の２０２４年通期決算が１６日、出そろった。ＪＰモルガン・チェースなど５社が増収増益。企業のＭ＆Ａ（合併・買収）に関する助言など投資銀行業務の手数料収入が伸び、業績を押し上げた。

最大手ＪＰモルガンの純利益は前期比１８％増の５８５億ドル（約９兆円）と過去最高を更新。投資銀行業務が好調だったほか、融資拡大に伴って純金利収入が増加した。株高の恩恵を受け、バンク・オブ・アメリカは株式関連事業が好調。シティグループは営業費用の圧縮が奏功し、純利益が３７％増となった。

投資銀行業務が中心のゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、大幅な増収増益を確保。バイデン政権で厳しくなったＭ＆Ａの審査体制がトランプ次期政権で緩むとの観測が広がる中、ゴールドマンのソロモン最高経営責任者（ＣＥＯ）は「全体的に顧客の取引意欲が高まっている」と分析した。

ウェルズ・ファーゴは減収増益。貸倒損失を含む信用コストの減少などが純利益拡大につながったものの、連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）による利下げ開始を受けて純金利収入が低迷したことが響いた。

【時事通信社】