• 2024/11/26 掲載

独ティッセンクルップ、鉄鋼子会社の従業員4割を削減へ

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Tom Kackenhoff Friederike Heine

[デュッセルドルフ 25日 ロイター] - ドイツの鉄鋼・エンジニアリング大手、ティッセンクルップは25日、鉄鋼子会社のティッセンクルップ・スチール・ヨーロッパ(TKSE)が従業員約2万7000人のうち約4割に当たる1万1000人を削減する経営再建策を発表した。2030年までに5000人を減らすほか、6000人を事業の分離・独立または売却を通じて削減する。

これらの経営再建策を通じて今後数年間に人件費を平均約10%削減することを目指す。アジアの競合他社が供給する割安な製品との競争や電力価格高騰、世界経済の低迷が響いて、過去5年間のうち4年は本業のもうけを示す営業損益が赤字に陥っていた。

再建策では、従業員約500人を抱えるTKSEのクロイツタール・アイヒェン工場を閉鎖。また、デュイスブルクにある工場の株式を売却したい考えだが、売却が不可能な場合には他の株主と閉鎖の可能性も協議するとした。

TKSEは生産能力を年1150万トンから870万─900万トンへ削減することで「将来の市場見通し」に適応する方針を示した。

ドイツ最大の産業別労働組合、IGメタルで所管地域のトップを務めるクヌート・ギースラー氏は「1万1000人超の雇用を削減し、事業所を閉鎖しようとする企業はIGメタルの激しい抵抗を覚悟しなければならない」と批判した。

ハーベック経済相は再建策を受けて「鉄鋼が将来も生産されることが重要だ」とコメントした。

ティッセンクルップは今月、鉄鋼部門で10億ユーロ(11億ドル)の減損処理を実施していた。TKSEは現在の帳簿上の評価額が24億ユーロと、2年前の半分未満の水準に落ち込んでいる。

ドイツの他の大手企業も工場閉鎖を検討している。自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)は先週、賃金の引き下げとドイツの工場閉鎖の可能性を巡って3回目の労使交渉を実施した。

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