- 2024/11/26 掲載
SF連銀アドバイザー、米生産性急上昇が一過性でない可能性示唆
フランスの経営大学院INSEAD教授を務めているファーナルド氏は、生産性の短期的な動きに基づいて、米国が1995─2004年のような生産性の新たな上振れ局面に入ったと結論付けることには長らく慎重な立場を維持している。
米連邦準備理事会(FRB)の一部政策担当者や専門家らの間には、生成人工知能(AI)などの登場により、既に米国がそうした生産性の高まる局面を迎え、生活水準向上をもたらす土台が築かれたのではないかとの期待もある。
ファーナルド氏が今回、サンフランシスコ地区連銀の「エコノミック・レター」に掲載した論文の大部分は一貫してもっと懐疑的な見解で占められ、新型コロナウイルスのパンデミックの始まり時点で起きた労働者1人当たり生産性が急上昇する現象がすぐに消滅し、より長期的な生産性鈍化の流れが再び鮮明になった経緯が詳細に記されている。
同氏は共著者とともに「このパンデミック期における生産性の急上昇と急低下は、予想できた循環的な反応で、鈍い生産性成長ペース持続という基調に覆い被さっていた」と分析。「グレート・リセッション(08年の金融危機以降の景気後退)」下でも、生産性は急激な高下を見せたと指摘した。
それでも同氏らは、パンデミック以降の生産性の伸びが以前の想定より高かったことが最近の統計改定で判明した点などを含めて「楽観できる幾つかの理由はある」と総括している。
生成AIをはじめとする新技術が生産性に及ぼす影響はまだ不透明で、これから次第に明らかになることが予想されるという。
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