- 2024/11/20 掲載
トランプ氏の関税政策、企業はインフレ加速や供給網の混乱を警戒
[19日 ロイター] - 米国のトランプ次期大統領が輸入品に高関税を課す意向を示していることに対して、企業経営者はインフレやサプライチェーン(供給網)への影響に懸念を示している。
ウォルマートをはじめ多数の米企業は、関税引き上げによるコスト増加が商品価格に転嫁され、消費者に負担がかかることを懸念している。ロウズのような企業は、売上原価の多くを輸入に依存しており、関税の影響を特に受ける見通し。
オックスフォード・エコノミクスは、中国製品への60%の関税が米国のインフレ率を0.7ポイント押し上げると試算している。一部のアナリストは関税導入によるショック効果を警戒している。
トランプ氏の関税政策は、電子製品や輸送機器、化学製品、鉱物などの輸入が多い分野に大きな影響を与える可能性がある。また、台湾の半導体産業への影響も懸念され、アップル、エヌビディア、クアルコムなどのハイテク企業のサプライチェーンに混乱が生じる恐れもある。
全米小売業協会は、衣料品、玩具、家具、家電製品、履物、旅行用品などが値上がりする可能性があると警告する。スタンレー・ブラック・アンド・デッカーは、関税によって年間約1億ドルのコストが発生しており、トランプ氏の提案ではそれが倍増するかもしれないと指摘する。
企業は、トランプ氏の最初の任期中に中国からの生産シフトを開始しており、バイデン政権下の製造業強化法案の可決後もその動きは続いている。さらに、これまでにコロナ禍やサプライチェーンの混乱に対応した経験から、新たな関税政策への適応力も向上しているかもしれない。
タペストリーのスコット・ロー最高財務責任者(CFO)は「私たちは多くの混乱や困難に見舞われ、適応を余儀なくされてきた」と語った。
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