- 2024/10/11 掲載
米FRBのQT終了、来年4月との予想変わらず=NY連銀調査
[10日 ロイター] - ニューヨーク地区連銀が10日公表したプライマリーディーラー調査によると、米大手銀行が想定する連邦準備理事会(FRB)による保有資産圧縮(量的引き締め=QT)の終了時期は来年4月で、今年7月時点の前回調査から変わらなかった。
QT終了段階で予想される資産規模は6兆4000億ドル。これは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生した2020年序盤より前の4兆2000億ドルを大幅に上回る規模だ。
今回の調査は、今年9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)開催に先立って実施した。今月9日に公表された同FOMC議事要旨では、QTの先行きに関する新たな手掛かりはほとんど示されなかった。
NY連銀は「大半のディーラーはバランスシート圧縮打ち止め(時期)が準備預金や(翌日物リバースレポ)の残高、政策金利と比較した短期市場金利への上昇圧力次第で決まると見込んでいることが分かった」とコメントした。
過去2年余りにわたってFRBは国債と住宅ローン担保証券(MBS)の保有を減らす形でQTを続け、22年夏に9兆ドルだった資産規模は足元で7兆1000億ドルとなっている。
こうしたQTはほとんどの期間で利上げと歩調を合わせ、金融政策を引き締め的にする役割を果たした。ただ、物価上昇率鈍化を背景にFRBは今年9月に50ベーシスポイント(bp)の利下げを決定し、一部の市場関係者からはこれ以上QTを続ける必要があるのかとの疑問も出ている。
それでもFRBは繰り返し、金利政策とバランスシート政策は別だと主張。金融システムから過剰流動性が取り除かれない限り、QTを継続する方針を打ち出している。
パウエルFRB議長は9月のFOMC後の会見で「準備預金はまだ潤沢で、しばらくそれは変わらない見通しだ。これは、金利が低下している中でもわれわれがQTの打ち止めを考えていないことを物語る」と説明した。
9月末には米短期金利が予想外に大きく変動する場面があり、21年にFRBが創設した資金供給手段の常設レポ・ファシリティー(SRF)が初めて本格利用された。
こうした動きは、FRBが前回のQTを打ち止めにした19年9月に短期金利が不安定化した局面と表面的には似ている。
しかし、足元ではFRBが政策金利を誘導水準の範囲にコントロールする力を失っておらず、その点は5年前と全く異なる、というのが大方の市場参加者の見方だ。
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