- 2024/09/25 掲載
米国債券ETFの立ち上げ、前年比5割増
[24日 ロイター] - ストラテガスのまとめによると、債券に関連した上場投資信託(ETF)の立ち上げは、今年に入って120本弱と、2023年1-9月の79本から約5割増加した。CFRAの調べでは、今月は債券商品ETFの新規上場が急増し、ETF全体の46%を占めている。
連邦準備理事会(FRB)の利下げ予想に後押しされたもので、債券ETFのラインアップは、地方債に特化したものから、高利回りや担保付ローン債務に重点を置いた商品まで、多岐にわたっている。
ストラテガスのETF分析責任者トッド・ソン氏は「債券が全般的に大きな投資トレンドになるだろうとの認識が広がっており、より独創的な商品を投入する絶好の機会だ」と話す。
活況を生んだ主な要因は、FRBが24年に利下げを開始するという観測だった。利下げ局面は、先週の50ベーシスポイント(bp)の引き下げから開始され、FRBの最新の経済見通しによると、25年末までにさらに150bpの引き下げが予想されている。
政策金利の低下は、債券の利回りを押し下げ、債券価格の上昇をもたらす傾向があるため、債券の運用にとって有利とみられている。投資家は、米国債券の利回りが下がる前に、数十年ぶりの高水準付近で購入しようとの意欲を高めている。
指標金利の10年債利回りはこのところ3.75%前後で推移しており、昨年10月の5%強から低下している。
ストラテガスのデータによると、米国債券ETFへの月間平均純流入額は今年、過去最高の250億ドルに達し、23年の171億ドルから増加している。パリを本拠とするトラックインサイトによると、9月の流入額は20日時点で229億ドルに達した。
今年開設されたものの多くは、ベンチマークを上回る運用成績を目指すアクティブ運用の商品とされる。キャピタル・グループのスコット・デイビス氏は、債券投資信託全体の約8割がアクティブ運用に該当すると指摘した。ETFは証券取引所で売買されるため、換金性も高い。
ETFに注力する最大の資産運用会社の1つであるキャピタル・グループは、23年9月に12億ドルのキャピタル・グループ・コア債券ETFを立ち上げている。
今後数週間のうちに、アクティブ運用の地方債ポートフォリオから長期リターンを追求するロックフェラー・オポチュニスティック地方債ETF、コングレス・インターミディエイト・ボンド・ファンドなどが立ち上がる予定だ。ストーン・リッジ・アセット・マネジメントによる退職者をターゲットにしたETFなども準備されている。
米国のインフレ再燃や経済成長が予想を上回る状況となれば、FRBによる利下げへの観測が後退し、債券ETFの収益を低下させる可能性もある。ただ、当面は債券ETFの人気が続くとの見方が強い。
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