- 2024/09/21 掲載
NY市場サマリー(20日)ダウ最高値、ドル/円上昇 利回り低下
ドル/円は一時1ドル=144.50円まで上昇し、9月初旬以来の高値を付けた。終盤は0.92%高の143.92円。
ユーロ/円<EURJPY=EBSも0.93%高の160.59円となった。
ユーロ/ドルは0.01%安の1.115925ドル。ドル指数は100.75と、1年ぶり安値をわずかに上回る水準で推移した。
市場では、米連邦準備理事会(FRB)が11月にさらに50ベーシスポイント(bp)の利下げを実施する可能性が49%近くあると予想されており、年末までに74.8bpの利下げが織り込まれている。 このハト派的な見通しは米経済の成長継続への期待を後押しし、リスク資産の大幅な上昇につながった。豪ドルは一時0.68285米ドルまで上昇。終盤は0.13%安の0.68060米ドルとなった。
中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想外に据え置いた。
ドル=は、オフショア人民元に対して0.23%安の7.043元となった。
英ポンドは0.24%高の1.33180ドル。堅調な英小売売上高が強材料となった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが低下した。今週発表された堅調な経済データと米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ後、値固めの動きとなった。FRB幹部の発言も利回り低下要因だった。
米経済見通しの重要な指標として広く注目されている2年債と10年債の利回り格差は一時プラス15.8ベーシスポイント(bp)となり、さらにスティープ化が進行。2022年6月以来で最大となった。終盤は14.8bpだった。
この日は経済指標の発表はなかったが、ブラックアウト期間が解除されたため米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁らFRB幹部が発言を行った。
FRBのウォラー理事は今後数カ月にわたり「利下げ余地」が存在するとし、次回1、2回の会合で0.25%ポイントの利下げが想定できるという認識を示した。同時に、インフレ指標が軟化すれば0.50%ポイント利下げもあり得ると語った。
こうした発言は18日の50bp利下げを正当化するものだったため、米国債利回りの低下につながった。 午後の取引で、指標となる10年債利回りは1.4bp低下して3.726%となった。
2年債利回りは2.4bp低下して3.58%。ただ週間では3bp近く上昇した。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場は、年末までに77bpの利下げ、2025年12月までに200bp近くの利下げを織り込んでいる。
30年債利回りは4.077%で横ばいだった。
ドイツ銀行のアナリストは、2年債と10年債の利回りは来年半ばまでにそれぞれ3.50%、4.05%付近で落ち着くと予測した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 横ばいで取引を終えた。前日の連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げを好感した買いが一服した。ただ、スポーツ用品大手ナイキが上げをけん引し、ダウ工業株30種は最高値を更新した。
主要株価3指数は一時、1日としては8月中旬以来の大幅な伸びを記録したものの、その後は取引時間の大半を低調に推移した。週間では少なくとも1%上昇した。
TDウェルスのチーフストラテジスト、シド・バイディア氏はFRBが今週の会合で大幅利下げを実施したことについて、「50ベーシスポイント(bp)の利下げ幅を予想していた市場参加者も確かにいたかもしれないが、そうではない見方が大勢だったため、市場は依然として再調整の動きとなっている」と述べた。
FRBのウォラー理事はこの日、次回1、2回の会合で0.25%ポイントの利下げが想定できるという認識を示した上で、インフレ指標が軟化すれば0.50%ポイント利下げもあり得ると語った。
これを受け、相場は下げ幅を縮小する場面もあった。
週足では、ダウが1.62%高、S&P総合500種が1.36%高、ナスダック総合が1.49%高。
S&Pの主要11セクター中、公益事業が2.69%高。マイクロソフトのデータセンターに電力を供給する契約を締結したことを発表したコンステレーション・エナジーが22.29%上昇し、上げをけん引した。
半導体大手クアルコムから買収を打診されたことが報じされたインテルは3.31%上昇し、ダウを支えた。
この日は、株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプシ
ョン取引の3つの取引期限満了日が重なる「トリプルウィッチング」に
当たり、出来高とボラティリティーが高まった。
フェデックスは15.23%急落し、昨年4月下旬以来の大幅な下げとなった。2025年度通期の売上高伸び率見通しを引き下げたことが売り材料となった。
フェデックスの下げを背景にダウ運輸株指数も3.53%下落した。
ナイキは6.84%高。ジョン・ドナホー最高経営責任者(CEO)兼社長の後任に元幹部のエリオット・ヒル氏を充てる人事を発表したことが好感された。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米追加利下げへの期待感に加え、中東情勢の緊迫化をにらんだ買いも入り、3日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比31.60ドル(1.21%)高の1オンス=2646.20ドルとなり、前日に付けた史上最高値を塗り替えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は今週開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.5%の利下げを決定。併せて公表した政策金利見通し(中央値)で、年内残り2回の会合でそれぞれ0.25%の下げ幅で利下げをすると見込んだ。利回りを生まない金に追い風になるとの期待が高まっており、この日も前日に続き買いが入った。一方、イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルートを空爆したと発表。イスラエルメディアによると、ヒズボラもロケット弾150発以上をイスラエルに撃ち込んだという。中東地域での緊張が高まる中、安全資産とされる金の市場に資金が流入した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げを好感した買いが一服し、小反落した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物は前日清算値(終値に相当)比0.03ドル(0.04%)安の1バレル=71.92ドル。週間では6.17ドル(9.38%)上伸した。11月物の清算値は0.16ドル安の71.00ドル。
上げ一服状態となったあと、中盤以降は、10月物の納会に伴う売り買いが中心となったもよう。ただ1ドル余りの狭いレンジ内の値動きに終始した。市場では、強気と弱気の見方が交錯している。中東情勢の一段の深刻化が供給混乱を招くとの懸念が再燃。イスラエル軍が20日、レバノンの首都ベイルートを空爆したと発表。 イスラエルのメディアによると、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの軍事幹部イブラム・アキル氏が標的だったという。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 143.91/143.92
始値 144.26
高値 144.49
安値 143.48
ユーロ/ドル NY終値 1.1162/1.1163
始値 1.1159
高値 1.1176
安値 1.1137
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時03分 102*27.00 4.0842%
前営業日終値 103*00.50 4.0740%
10年債(指標銘柄) 17時02分 101*03.00 3.7413%
前営業日終値 101*03.50 3.7400%
5年債(指標銘柄) 17時02分 100*17.75 3.5013%
前営業日終値 100*17.25 3.5050%
2年債(指標銘柄) 17時03分 100*09.00 3.5973%
前営業日終値 100*08.63 3.6040%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 42063.36 +38.17 +0.09
前営業日終値 42025.19
ナスダック総合 17948.32 -65.66 -0.36
前営業日終値 18013.98
S&P総合500種 5702.55 -11.09 -0.19
前営業日終値 5713.64
COMEX金 12月限 2646.2 +31.6
前営業日終値 2614.6
COMEX銀 12月限 3150.5 +8.2
前営業日終値 3142.3
北海ブレント 11月限 74.49 ‐0.39
前営業日終値 74.88
米WTI先物 10月限 71.92 ‐0.03
前営業日終値 71.95
CRB商品指数 282.3897 +0.1969
前営業日終値 282.1928
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