[パリ １７日 ロイター] - ビルロワドガロー仏中銀総裁は、財政赤字を欧州連合（ＥＵ）が定める水準に２０２７年までに削減することはもはや現実的に不可能だとの認識を示し、財政引き締めの取り組みを５年間に分散させるべきだと語った。

フランスのバルニエ新首相は２７年までに公共部門の財政赤字を国内総生産（ＧＤＰ）比３％以内に抑えるという前政権の目標を堅持するかどうかまだ明言していない。

財務省推計によると、目標達成には今年と来年だけで３００億ユーロ（３３０億ドル）の予算削減が必要になる。

ビルロワドガロー氏はパリジャン紙に「財政赤字は３％以内に抑えなければならない。ただ、２７年までの３年間で（達成すること）は現実的ではなく、成長の足を引っ張ることになる」と語った。

引き締め策の大部分は歳出削減の形で行われるべきだが、大企業や富裕層の納税者は赤字削減目標を達成するまで「例外的かつ合理的な努力」をする必要があると述べた。

バルニエ氏が任命する新財務相は、増税と歳出削減のバランスをとり、左派・極右政党の双方に配慮しながら政策運営を行う必要がある。

閣僚入りの打診があったかとの質問にビルロワドガロー氏は、中央銀行の職で満足しており、中銀で国民に貢献できると答えた。