- 2024/09/04 掲載
独VW、コスト削減策で説明会 従業員は経営陣批判
[ウォルフスブルク(ドイツ) 4日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は4日、主力の「フォルクスワーゲン」ブランドの立て直しに「1年か、おそらく2年」要するとの見通しを示した。
本社のあるウォルフスブルクで国内工場の閉鎖も含むコスト削減計画について従業員向け会合を開催、アルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)は、電気自動車(EV)シフトを乗り切るためには、従業員と経営陣が一丸となって支出を削減しなければならないと訴え、経費削減計画への理解を求めた。
1万6000人の従業員が集まり、会場外でも5000人がスクリーンで会合のもようを見守る中、アントリッツCFOは、欧州の自動車市場はパンデミック後に縮小し、VWが約50万台の需要不足に直面していると説明。販売が回復する見込みはなく、中核のVWブランドには支出の削減や生産調整に「1─2年」の期間があるとした。
従業員を代表する労働評議会のダニエラ・カバロ議長は、経営陣は「信頼を大きく損ねた」とし、工場閉鎖の脅しは「破産宣告」のようなものだと述べた。
登壇の予定がなかったオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)に対し、なぜドイツの雇用を守ることよりも米新興企業リビアンとの50億ユーロ規模の提携への投資を優先するのか説明を求めた。
ハイル労働相はRTL/ntv放送に対し「ドイツは自動車大国であり続けなければならない」と述べ、支援を約束した。しかし具体的な内容は明らかにせず、まず雇用の確保と工場閉鎖の防止に努めるべきだと述べた。
VWは10月に組合との賃金交渉を行う予定。ツビッカウ工場の組合幹部によると、組合側は交渉を前倒しし、同社の選択肢について幅広い議論を行いたいと考え。ただ工場閉鎖という選択肢を排除しなければ、交渉は始められないとし「ゲームのルールについて合意する必要がある」と述べた。
投資家やアナリストからは、原因が何であれ、コスト削減の方向性について迅速な決断を下さなければならないとの指摘が出ている。ジェフリーズのアナリストは「困難な局面で、経営陣と労働組合はコンセンサスを形成する能力を持っている。しかし、スムーズにいくことはないだろう」と述べた。
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