- 2024/08/08 掲載
中国輸出企業、人民元急騰でもドル保有を継続
人民元はドルに対して2%上昇し、今年これまでの下落の大部分を取り戻した。これはより有利な為替レートを見込んでいた輸出業者が交換の好機を逃したことを意味する。
ロイターが今週、商業銀行十数行を対象に行った調査によると、2行で外為決済がわずかに増加した。他の銀行は顧客がドル保有に関心を示していると回答した。
ナティクシスのアジア太平洋担当シニアエコノミスト、ゲーリー・ウン氏は「中国の経済と金融市場が困難な状況にある中、輸出企業が外貨を人民元に交換するインセンティブは限られる」と指摘した。
最新のデータによると、外貨収入が人民元に換算される割合を示す市場の為替決済比率は、6月に58.1%と約2年半ぶりの低水準となった。
ウン氏はドル/人民元が7.0元に達し、「さらに元高が進むという道筋が明確になれば」、ドルを元に替える意欲が高まるかもしれないと述べた。
人民元は今週、1ドル=7.1120元と、7カ月ぶりの高値へ上昇した。7月下旬には7.2776元と、8カ月ぶりの安値を付けていた。
INGの中国担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「(米中の)金利がより均衡した場合にのみ、輸出業者は手持ちのドルを人民元に替えるだろう。それは米連邦準備理事会(FRB)の利下げが十分に進んでからだろう」と語った。
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