- 2024/08/05 掲載
手数料高いヘッジファンド、投資家の人気薄れる=ゴールドマン
[ロンドン 2日 ロイター] - 1つのファンドの資産を分割して複数の担当者が運用し、従来型ファンドに比べて手数料が高い「マルチマネージャー・ヘッジファンド」は投資家の間で以前よりも人気が薄れていることが、米ゴールドマン・サックスのリポートで分かった。ロイターが2日、リポートの内容を確認した。
マルチマネージャー・ヘッジファンドの手数料体系は、運用コストなど全ての費用を顧客が負担する「パススルー」方式となっており、ヘッジファンドで最も手数料が高い。
リポートによると、富裕層向けファミリーオフィスや政府系ファンド(SWF)、年金基金など300余りの投資家を調査したところ、マルチマネージャー・ヘッジファンドの投資を増やすことに前向きとの回答は全体の15%にとどまり、1年前の20%強から低下した。
英バークレイズの最近のリポートによると、最大手のマルチマネージャー・ヘッジファンドは利益における取り分が半分を超え、運用成績に連動する手数料と経費を差し引いた後の投資リターンは平均がわずか42%となっている。
マルチマネージャー・ヘッジファンドは今年上半期に差し引きで運用資産の1.5%相当が流出。流出率がヘッジファンド全体の1.1%を上回った。
ゴールドマンはマルチマネージャー・ヘッジファンドについて「2024年はこれまでのところフローが厳しい状態が続いている」と指摘した。
一方、投資家はヘッジファンドに対する楽観的な度合いが2020年以来で最高となった。ゴールドマンによると、ヘッジファンドのポートフォリオの成績が期待と同等かそれ以上だったと回答した投資家の割合は85%強と、前年の67%から上昇した。
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