- 2024/07/09 掲載
NY市場サマリー(8日)S&P・ナスダックが連日最高値、ユーロ下落、利回りまちまち
先週発表された米雇用統計を受けて連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が高まったことで、ドルは3週間以上ぶりの安値を付けていた。
マネックスUSA(ワシントン)の外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は、ユーロ懐疑派のマリーヌ・ルペン氏が事実上率いる極右「国民連合(RN)」が過半数を獲得できなかったことで、フランスの欧州連合(EU)を離脱を巡る懸念が和らいだと指摘。「RNが勝利していたら、フランスが実際に離脱に向けて動き出すというリスクが幾分あった」とし、離脱の公算が小さくなったことで安心感が広がったと述べた。
取引終盤、ユーロは0.11%安の1.0824ドル。一時、 1.0845ドルと6月12日以来の高値を付ける場面もあった。
主要通貨に対するドル指数は0.04%高の104.99。取引序盤、6月13日以来の安値となる104.80まで沈んだ。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りがまちまち。利下げ開始時期について新たな手掛かりが示されるか、週内に予定されるパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言とインフレ指標が注目されている。
指標となる10年債利回りは4.269%と、先週末から小幅低下。一方、金利見通しに敏感な2年債利回りは4.618%と、先週末の4.599%から上昇した。
パウエル議長は9日に上院銀行委員会、10日に下院金融サービス委員会でそれぞれ金融政策に関する半期に一度の証言を行う。
ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネジングディレクター、トニー・ファレン氏は「芳しくない経済指標が出ていることもあり、パウエル議長は極端にハト派的とはならないだろうが、タカ派よりはハト派となるだろう。その後(11日に発表される)消費者物価指数(CPI)が何をもたらすかが注目される」と述べた。
ニューヨーク連銀が8日発表した6月の消費者調査によると、1年先と5年先のインフレ期待が緩和した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場ではS&P総合500種とナスダック総合が最高値を更新して取引を終えた。市場は一連の企業決算や新たなインフレ指標の発表のほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言などを注視している。
ナスダックの最高値更新は5営業日連続、S&Pは4営業日連続。
エヌビディアが約2%、インテルが6%超、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が4%、それぞれ上昇し、フィラデルフィア半導体指数を1.9%押し上げた。
市場はFRBによるインフレ抑制の進展を見極めようと、11日発表の消費者物価指数(CPI)と12日発表の卸売物価指数(PPI)に注目している。
投資家の間では、利下げを先送りし過ぎれば労働市場に打撃が生じ、景気後退に陥りかねないとの懸念が出ており、パウエル議長による9、10日の議会証言に関心が集まる。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、利益確定の売りに押され、3営業日ぶりに反落した。
米労働省が前週末に発表した6月の雇用統計で、失業率が4.1%と前月から悪化した上、インフレに影響する平均時給も前月から伸びが減速。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの見方が広がる中、5日の金塊先物相場は中心限月の清算値ベースで5月下旬以来約1カ月半ぶりの高値を付けていた。週明け8日は高値警戒感が広がる中で、終日マイナス圏での取引となった。9、10両日に予定されるパウエルFRB議長の議会証言や、11日発表の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、短期筋の利益確定の売りやポジション調整目的の売りが優勢だった。
また、中国人民銀行(中央銀行)が7日に公表したデータで、5月に続き6月も金準備が増加しなかったことが判明したことも、投資家心理を圧迫したもようだ。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ガザ停戦交渉の進展期待などを背景に売りが優勢となり、続落した。
報道によると、イスラム組織ハマスの幹部は7日、これまで大前提としてきたイスラエルとの「完全な停戦」がなくても、同国と人質解放で交渉する用意があるとの意向を表明。これを受け、米国などを仲介役とした間接交渉が進展するとの期待が高まり、このところ強まっていた一段の情勢の緊迫化や紛争拡大に伴う供給不安が後退した。ただ一方で、ロシアは同日、ウクライナの首都キーウなど複数の都市をミサイルで攻撃。また、先週行われたイランや英仏の選挙結果を受け、これらの国々の外交やエネルギー政策に変化があるかどうかにも関心が集まり、相場の下値は固かった。
このほか、米国内では8日朝、いったん熱帯性低気圧となった「ベリル」が再び勢力を強め、ハリケーンとなってテキサス州に上陸。一部の港湾は閉鎖され、広範にわたり洪水や停電が発生している。同州の石油・天然ガス生産は全米最大規模で、関連施設への影響が懸念されている。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 160.81/160.85
始値 160.92
高値 161.05
安値 160.49
ユーロ/ドル NY終値 1.0822/1.0826
始値 1.0829
高値 1.0844
安値 1.0823
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 102*21.00 4.4628%
前営業日終値 102*17.50 4.4690%
10年債(指標銘柄) 17時05分 100*24.00 4.2803%
前営業日終値 100*26.00 4.2730%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.25 4.2410%
前営業日終値 100*04.50 4.2180%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.38 4.6348%
前営業日終値 100*01.50 4.5990%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 39344.79 -31.08 -0.08
前営業日終値 39375.87
ナスダック総合 18403.74 +50.98 +0.28
前営業日終値 18352.76
S&P総合500種 5572.85 +5.66 +0.10
前営業日終値 5567.19
COMEX金 8月限 2363.5 ‐34.2
前営業日終値 2397.7
COMEX銀 9月限 3091.3 ‐77.6
前営業日終値 3168.9
北海ブレント 9月限 85.75 ‐0.79
前営業日終値 86.54
米WTI先物 8月限 82.33 ‐0.83
前営業日終値 83.16
CRB商品指数 290.9063 ‐2.5193
前営業日終値 293.4256
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