- 2024/06/27 掲載
UBS、スイス政府に資本上乗せ規模の明示要望=関係者
[チューリヒ 26日 ロイター] - スイス金融大手UBSは、クレディ・スイスの救済合併を踏まえて一体どれだけの資本上乗せが必要になるのか、当局に早く明示してほしいと訴えている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
スイス政府が4月、クレディ・スイスのような経営危機再発防止に向けた銀行の資本基盤強化案を発表。この時点でUBS内では、予想外に負担が軽く、柔軟性もある内容だと安心感が広がっていた。
しかしその後、連邦金融市場監督機構(FINMA)の長官に就任したシュテファン・バルター氏が、UBSにより多くの資本手当てを求める姿勢を示唆しているため、UBS側の懸念が増大しているという。
UBSは既にクレディ・スイス統合による経営規模拡大に対応し、190億ドルの資本を増強すると約束した。ただ関係者によると、財務相が4月に言及した150億-200億ドルの追加資本が、この190億ドルと別に手当てするのかどうかがはっきりしない点も心配の種になっている。
こうした中でUBSは最近、当局に同行としての詳しい考えを提示したほか、幹部らが資本上乗せ要件引き下げに向けた働きかけを行っているもようだ。
チューリヒ工科大学KOF経済研究所のハンス・ゲルズバッハ教授は「投資家としても果たして250億ドルの追加資本が必要なのか、またその時間軸はどれぐらいか知らなければならない」と指摘した。
UBSの経営陣の見方では、さらなる資本上乗せ要求は同行の欧米大手行に対する競争力を弱めかねない。エルモッティ最高経営責任者(CEO)は、規制強化はスイスの銀行システムに打撃を与える恐れがあると激しく批判している。
PR
PR
PR