- 2024/06/13 掲載
モスクワ取引所でドルとユーロの取引停止、米の対ロ追加制裁受け
[12日 ロイター] - ロシア最大の取引所であるモスクワ取引所は12日、米国の新たな対ロシア制裁を受け、ドル建てとユーロ建ての取引を停止した。
米政府はこの日、ロシアがウクライナ戦争を維持するための資金や物資の流れの遮断を目的とした新たな制裁措置を発表。中国などの第三国を含む300を超える個人や団体を対象とした。
12日はロシアの祝日だったが、モスクワ取引所とロシア中央銀行は米政府の発表を受けて急きょ声明を発表。「米国がモスクワ取引所グループに対し制限措置を導入したため、米ドルとユーロ建ての受け渡し証券の取引と決済が停止された」と表明した。
銀行、企業、投資家は、流動性、清算、監視の面で有利な中央取引所を通じた取引がドル建てでもユーロ建てでもできなくなる。そのため、今後は取引所を介さず2者間で直接取引する店頭取引(OTC)が必要になる。中銀はOTCのデータを使って公式為替レートを設定するとした。
多くのロシア人は貯蓄の一部をドルやユーロで保有している。中銀は、ドルとユーロの銀行預金は安全だと説明。企業や個人は引き続きロシアの銀行を通じてドルやユーロを売買できるとした。
一方、ロシアの大手商品輸出業者はロイターに対し、「人民元を持っているので気にしない。ロシアでドルやユーロを手に入れるのは事実上不可能だ」と語った。
元はモスクワ取引所で最も取引される通貨となり、5月に取引された全外貨の53.6%を占めている。
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