- 2024/06/06 掲載
国債買い入れ、経済の回復に応じ時間かけて減額を=中村日銀委員
Takahiko Wada
[札幌市 6日 ロイター] - 日銀の中村豊明審議委員は6日、札幌市金融経済懇談会後の記者会見で、国債買い入れについて、経済の回復状態に応じて時間をかけて減額を進めることが大事だと述べた。日本経済はそれほど強くなく、減額によってどういう影響が生じるか慎重に考えるべきだと指摘した。ただ、6月の金融政策決定会合で国債買い入れの減額を決めるべきかとの質問には「どちらとも言えない」と答えるにとどめた。
一方、中村委員は、中小企業では賃上げのしづらさがまだ続いていると指摘。人口動態の変化で賃上げの恩恵を受ける世帯数が減少しているなどと述べ、今のタイミングでの利上げは早いとした。
為替については「経済のファンダメンタルズに沿って動くのが望ましい」と指摘。昨今の輸入価格上昇を通じ、為替が経済・物価に影響を及ぼす重要なファクターになっているとした上で、急速で一方的な円安は先行きの不確実性を高め、コストカット志向から企業が脱しつつあり、千載一遇のチャンスを迎えている日本経済にとって「望ましくない影響がある」と話した。
ただ、日本経済がそれほど強くない中で、円安対応としての利上げにも消極的な見方を示した。利上げは需要を抑制し、相応のマイナスの影響を及ぼすことを考慮すべきで「軽々に金融政策で対応できるものではない」と述べた。
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