- 2024/06/04 掲載
先週はヘッジファンド不調、強気見通しが裏目に=モルガン・スタンレー
[ニューヨーク 3日] - 米金融大手モルガン・スタンレーの顧客向けメモによると、世界のヘッジファンドは先週、主要な米株式指標が相次いで下落したため保有銘柄を投げ売りし、ロングポジションのポートフォリオに手痛い打撃となった。
同社はメモで「(ロング・ショート戦略で株式運用を行う)平均的なL/Sファンドにとって、過去数カ月間で最も厳しい週の1つだったと思われる」と指摘した。損失は、特定の銘柄の値上がりを見込んだロングポジションにほぼ集中していた。
先週はデル・テクノロジーズやセールスフォースなど一部のハイテク銘柄が期待外れだった。これに伴ってS&P総合500種が0.48%、ナスダック総合は1.1%、ダウ工業株30種も0.93%それぞれ下落した。
また、2024年1―3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から下方修正され、予想以上の景気減速が分かったことや、新規失業保険申請件数が市場予想よりもやや多かったことも地合いに響いた。
モルガン・スタンレーのメモによると、ヘッジファンドは全地域で売り越し、主に北米で目立った。大型株を含むハイテクやメディア、通信セクターに売りが集中し「時価総額が極めて大きい銘柄『メガキャップ』の相次ぐ下落が主導した」という。
この背景にはヘッジファンドがロングポジションに関してリスクに曝される度合い(エクスポージャー)を減らす一方でショートポジションを積み上げたことがあった。
ヘッジファンドはまた、欧州と日本を含むアジア市場の株価に先安観を抱き、ショートポジションを追加したという。
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