- 2024/02/10 掲載
ヨーカ堂、再建へ正念場=都市部と「食」に集中投資
セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂が、北海道と東北、信越地方からの撤退を発表した。不採算店を切り離して身軽になり、業績回復に向けて都市部や「食」を強化する戦略。ただ、競合がひしめく激戦区での勝ち残りは容易ではなく、ヨーカ堂再建は正念場を迎えている。
ヨーカ堂が撤退を表明したのは計17店舗。人口が減少する地域では、人件費や維持費がかさむ大型店舗の運営は採算を取るのが難しい。ただ、他にスーパーもなく、地域住民が存続を望むケースも少なくない。事業承継先を探すのに奔走し、ようやく撤退にめどを付けた格好だ。
店舗以外でもリストラを進めている。昨年は衣料品店「ユニクロ」などの台頭で不振が続く自社開発のアパレル事業の終了を決定。年明けからは早期退職希望者を募集しており、人員整理を進める。また、家賃を抑えるため、今夏までに本社を現在の東京都千代田区から同品川区に移転する予定だ。
ヨーカ堂関係者は、「今期、来期でうみを出し切り、体質のいい店だけで黒字化に挑戦する」と話す。
同社は食品事業を業績浮揚の切り札に位置付ける。今月下旬には共通のセントラルキッチンを千葉市で稼働させ、総菜や弁当の品ぞろえを拡充。ネットスーパーも強化する方針だ。別の関係者は「今が踏ん張りどころ。ここで立て直さなければ先はない」と危機感を強めている。
【時事通信社】
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