- 2024/01/30 掲載
米国株と利回りの負の相関低下か、力強い経済見通しが緩衝材に=GS
[ニューヨーク 29日 ロイター] - ゴールドマン・サックスのストラテジストは、昨年7月に長期債利回りが上昇し始めて以来、米S&P総合500種と10年債利回りは負の相関関係にあったが、足元では力強い経済見通しが緩衝材としての機能を果たし、米国株に対する利回り上昇の影響を緩めているとの見方を示した。
一方で、金融引き締めなどの要因で利回りが上昇したり、利回りの上昇スピードが速すぎたりすれば、このような状況が変わる可能性があるとした。
昨年10月に利回りが16年ぶりの高水準を付け、株式の魅力が相対的に低下したことでS&P500は大きく売られたが、利回りが年末にかけて急低下すると、株価は急速に回復。ただ2024年は、10年債利回りが4.2%と約30ベーシスポイント(bp)上昇する中でも株価は最高値を更新している。
ゴールドマンのストラテジストは、株価が底堅い理由の一つは経済見通しの改善だと指摘。1990年以降、イールドカーブ(利回り曲線)がスティープ化した際のS&P500の月間リターン中央値は1.3%だったが、イールドカーブがスティープ化するかフラット化するかにかかわらず、経済成長期待が弱まるよりもむしろ改善する方が、リターンが大きく拡大するという。
「投資家が連邦準備理事会(FRB)による引き締めの可能性を懸念しなくなるにつれ、成長期待が利回りの重要なドライバーとなり、24年の株式と利回りの負の相関を低下させる一因になる」とした。
ゴールドマンのエコノミストは別のメモで、第4・四半期の経済成長率予想を2.1%から2.4%に引き上げた。
S&P500の24年末の予想水準は5100と先週末終値から4%強上昇すると想定。「しかし、FRBの政策や米債の需給バランスの変化によって金利が現在の水準から大幅に上昇すれば、株式は苦戦を強いられる」としたほか、国債利回りが最近のペースよりも急速に上昇した場合、その理由にかかわらず、株式は圧力に直面すると警告。24年の大統領選挙で金利がより不安定になる可能性があるとも指摘した。
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