- 2024/01/29 掲載
試練の1週間、ハイテク決算やFOMCなどイベント相次ぐ=今週の米株式市場
[ニューヨーク 26日 ロイター] - 1月29日からの週は、年初から堅調に推移してきた米株式市場にとって大きな試練となりそうだ。
S&P総合500種は昨年末以降の上昇率が3%近くとなり、足元は過去最高値圏にある。米経済のソフトランディング期待がその理由の一つになっている。
しかしこうした楽観ムードが本物かどうかを試すようなイベントが目白押し。30日はグーグル親会社アルファベットとマイクロソフトの四半期決算、31日は米連邦準公開市場委員会(FOMC)の結果公表とパウエル連邦準備理事会(FRB)議長会見、2月1日はアップルとアマゾン・ドット・コムの四半期決算、2月2日は1月雇用統計とメタ・プラットフォームズの四半期決算が予定される。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ジャック・ヤナシエビチ氏は、これら全ての材料を通じて「果たしてソフトランディングの道筋にあるのかどうか市場は確認しようとするだろう。経済成長が今のスイートスポットにある限り、値上がりは続く」と述べた。
特に昨年の株高をけん引してきた超巨大7銘柄「マグニフィセント・セブン」のうちの5銘柄の決算が集中するだけに、業績が市場にとって重要なポイントとなる。
アルファベット、マイクロソフト、アップル、アマゾン、メタの合計時価総額はS&P総合500種の25%近くを占め、同指数に及ぼす影響力は桁外れに大きい。
ただマグニフィセント・セブンの中でも、テスラは年初来で26%余り下落し、S&P総合500種の最低成績銘柄グループに名を連ねている。
チャールズ・シュワブのチーフ投資ストラテジスト、リズ・アン・ソンダース氏は「もはやこれらの銘柄の足並みも一枚岩ではない」と指摘。業績の下振れがあれば、市場全体にとっても強気地合いをほころばせるきっかけになる恐れがあると警告した。
FOMCとパウエル議長会見も、市場に波乱を起こしかねない。コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニア・ポートフォリオマネジャー、ティファニー・ウェイド氏によると、一部の投資家は現在、力強い指標が続いていることや、FRB当局者から大幅利下げの期待をけん制するメッセージが発信されたことを受け、年内に想定する利下げ経路の軌道修正に動いている。
投資家による最新の見立てでは、最初の利下げ時期は3月から5月に先送りされ、年内に予想される合計利下げ幅は昨年12月時点の160ベーシスポイント(bp)余りから135bpに縮小した。
こうした中で投資家は今回のFOMCについて、インフレとの戦いが十分に進展して利下げをより早めに開始できるようになった、とFRBが考えているかどうかを見定めようとするだろう。
ウェイド氏は、FRBからの発信次第で利下げ開始時期の予想がさらに先に延びるリスクが生まれてもおかしくないし、それは市場にとってマイナスだと説明。「市場ではソフトランディングに向かうとの自信が強まっているが、私はまだ全面的に確信してはいない」と述べた。
1月雇用統計が投資家を満足させるには、非農業雇用の伸びが微妙なほど良いラインに収まらなければならない。前月比で急減すれば、2022年以来の利上げがついに経済の足場を崩し始めたことを意味するかもしれない。逆に予想よりも大きな伸びなら、FRBがインフレ再燃を防止するために高金利を維持するとの観測を高める恐れが出てくる。
ここ数週間は米経済の強さが投資家を驚かせてきた。第4・四半期の成長率は予想を上回り、昨年全体でも景気後退懸念を吹き飛ばす形で2.5%の成長を記録した。
ノムラのストラテジスト、チャーリー・マケリゴット氏は、29日からの週に関して「最近の記憶にある限りで最も大きなイベントリスクを抱えた1週間」だと記した。
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