- 2024/01/26 掲載
米MMF資産が増加 株・債券に流入との期待に冷や水=JPモルガン
[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF)の資産が今年序盤に増加を続けており、待機資金が株式や債券に流入するという期待に水を差している──。JPモルガンのストラテジストチームが25日、こうした分析結果を明らかにした。
同チームによると、米国の課税MMF残高は年初からこれまでに750億ドル増加した。一方で過去約10年間を振り返ると、年初は季節的にMMFから資金が流出する傾向が見られた。
こうした異例の資産増加について同チームは、MMFにとどまっている6兆ドルの資金が株式と債券、あるいはそのどちらかに向かうという見方に異を唱える形だと指摘した。
昨年のMMF資産は1兆1000億ドル余り、率にして22%という過去10年で最大級の増加幅を記録。今年は、特に米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始すれば、利回り低下に伴ってMMFの魅力が薄れ、資金が流出するとの予想が出ていた。
しかしJPモルガンが1995年以降の3回の利下げサイクルを調べたところ、FRBの利下げが始まった後もMMFには資金が入り続けたことが分かった。
同チームは「これは理にかなっている。なぜならMMFの利回りは短期国債などに比べて低下が遅れがちで、他の流動性資産からお金が流れてくるからだ」と述べた。
さらにMMFの資金の大部分が、機関投資家や個人投資家にとって純粋な投資用ではなく出納目的で使われる「中核的なキャッシュ」と位置付けられる点も、流出しにくい要因とみられるという。
このため同チームは、今年もMMF資産は高水準を維持し、「相当な」規模の純流出は想定されないとの見通しを示した。
PR
PR
PR