- 2024/01/25 掲載
マスク氏、中国EV企業を警戒 貿易障壁なければ同業「駆逐」
[サンフランシスコ 24日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は24日、中国の自動車メーカーは、貿易障壁がなければ世界の競合相手を「駆逐」するだろうと述べた。EV業界のリーダーが中国勢の台頭を大いに警戒していることを示唆した。
テスラは大幅な値下げにもかかわらず、昨年第4・四半期の販売首位の座を中国EV最大手の比亜迪(BYD)に譲った。BYDは比較的手ごろな価格や多彩なラインアップで躍進した。
マスク氏はアナリスト向け決算説明会で、中国自動車メーカーを「最も競争力がある」と評価。「どのような関税、貿易障壁が設けられるかにもよるが、中国以外でも大きな成功を収めるだろう」とし、「貿易障壁がなければ、世界の同業のほとんどを打ち負かすだろう。彼らは非常に優秀だ」と述べた。
マスク氏はこの日、2025年後半に米テキサス州の工場で次世代EVの生産を開始する見通しを示した。ただ新モデルの増産は困難を伴うとの見方を示し、今年の販売減速を警告した。
テスラは昨年、積極的な値下げを実施。利益率を犠牲にして販売を優先する動きは投資家を心配させた。しかし、安定したサプライチェーン(供給網)を武器にコストを抑えることに長けている中国勢の動きは速い。
消費者分析会社ラングストンのパートナー、スペンサー・イメル氏は「BYDやNioなどは、信頼性や耐久性、安全性では中程度だが、車載技術やバッテリー交換などの革新的な技術で、中国での需要は高い」と述べ、それが今後の海外での成長において重要な要素で差別化の要因になると指摘した。
マスク氏は24日、中国同業と提携する「明白な機会はない」と述べた。ただ、中国勢に対し充電網へのアクセスを認めたり自動運転など他の技術のライセンスを供与したりする可能性をテスラは排除していない。
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