- 2024/01/12 掲載
英GDP、11月増加も四半期縮小 景気後退の公算大
David Milliken William Schomberg
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した昨年11月の国内総生産(GDP)は前月比0.3%増加した。
ロイターがまとめた市場予想(0.2%増)をわずかに上回ったが、同国経済は過去数カ月低迷しており、景気後退(リセッション)に陥る可能性が高い。
10月のGDPは0.3%減だった。
9─11月のGDPは0.2%減。市場予想は0.1%減だった。
ONSによると、12月のGDPが減少した場合や横ばいだった場合でも、2四半期連続のマイナス成長となり、テクニカルリセッションに陥る可能性がある。
ONSのチーフエコノミスト、グラント・フィッツナー氏は「長期的に見ると、経済は過去1年間ほとんど成長していない」と指摘。「ただ11月のGDPはサービス業主導で回復した。小売り、自動車リース、コンピューターゲーム会社が好調だった」と述べた。
11月のGDPは前年同月比では0.2%増。2019年以降の成長率は2.5%にとどまっている。
英産業連盟(CBI)のエコノミスト、ベン・ジョーンズ氏は「11月の英経済は低迷した。23年下半期にリセッション入りした可能性が十分にある」と指摘。
インベステックのエコノミスト、サンドラ・ホースフィールド氏は「23年下半期にテクニカルリセッションに陥ったかどうかは予断を許さないが、いずれにしてもトレンドは停滞と表現できるかもしれない。リセッションに陥ったとしても、緩やかなものだったとみられる」と述べた。
統計発表後、ポンドは対ドルでほぼ変わらず。国債利回りは低下し、市場が織り込む5月の利下げ開始の確率がやや上昇した。
予算責任局(OBR)は昨年11月、2024年のGDPを0.7%増と予想したが、一部のエコノミストはOBRの予測を上回る経済成長を見込んでいる。
パンテオン・マクロエコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は「24年の英経済は活発化するだろう」と指摘。堅調な賃金の伸びや、インフレ率と金利の低下を受けて、家計の実質可処分所得が2%増加するとの見方を示した。
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