• 2024/01/12 掲載

日銀、24年度物価見通し引き下げ議論へ 2%目標への道筋変わらず

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Takahiko Wada

[東京 12日 ロイター] - 日銀は22―23日に開く金融政策決定会合で、2024年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の上昇率見通しを引き下げる方向で議論するとみられる。複数の関係筋によると、原油価格の下落を主因に2%台半ばに引き下げる可能性がある。ただ、より基調的な生鮮食品とエネルギーを除く指数(コアコアCPI)は昨年10月の予測と大きく変わらない見通し。日銀内では物価目標に向け、基調的な物価上昇率が高まっていく道筋は変わらないとの声が出ている。

日銀は決定会合で「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を議論する。10月の展望リポートでは、原油価格の上昇などで24年度のコアCPI見通しを7月時点の1.9%から2.8%へ大きく引き上げたが、10月時点のレートに比べて原油価格は大幅に下落した。24年度コアCPIの下方修正は市況の変動を反映した調整的な側面が強いとみられる。

10月の展望リポートでは、24年度、25年度のコアコアCPIをともに前年度比プラス1.9%とし、基調的な物価上昇率が25年度にかけて「物価目標に向けて徐々に高まっていく」との見通しを示した。1月会合でもエネルギーを除くコアコアCPIの予測数値は大きくは変更されない公算が大きい。

2%物価目標の実現へ、最大の焦点は賃金・物価の好循環が十分な確度を持って実現すると見込めるのかどうかだ。日銀では、足元の物価上昇率鈍化に関して、これまでの輸入価格上昇に伴う価格転嫁の影響が明確にはく落してきている一方で、賃金上昇分の価格転嫁が徐々に進み、サービス価格は少しずつ上がっているとの指摘が出ている。また、好調な企業収益や人手不足で今年の春闘も強い結果が見込めるとの期待が強い。

一方、11日の支店長会議では、昨年より若干早く賃上げ機運が醸成されつつあるものの「賃上げの広がりや程度等については不確実性が高い」との報告が多く出された。

今回の展望リポートでは、23年度の実質国内総生産(GDP)見通しについても従来の2.0%増から引き下げることを議論するとみられる。弱い結果になった7─9月期GDPなどを織り込む。24年度については1.0%増から大きく変更がない見込み。

(和田崇彦)

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