- 2024/01/12 掲載
米CPIの下振れ阻む自動車保険料、12月は50年ぶりの高い伸び
労働省が11日発表した2023年12月のCPIは前年比上昇率が3.4%と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の3.2%を超える伸びで、11月の3.1%も上回った。
こうした加速のほとんどは帰属家賃など幾つかのおなじみの項目がもたらしたが、自動車保険料が前年比で約50年ぶりの高い伸びを示したことも、それなりに重要な原因で、しかも当面上昇傾向に変化は起きない可能性がある。
ジェフリーズの米国エコノミスト、ティム・サイモンズ氏は「CPIの自動車保険料の動きは実に注目される。短期的には(上昇が和らぐだろうと)安心できる材料は見当たらない」と述べた。
12月の自動車保険料の前年比上昇率は20.3%で、1970年代半ば以降で最も高い伸びを記録。同保険料は過去1年にわたって前月比もずっと上がっており、12月は1.5%と、ちょうどこの1年の平均的な上昇率だった。
23年第4・四半期で見ると、CPI全体の上昇率に対する寄与度は15%と、この項目としては異例の高さにもなった。
サイモンズ氏は、自動車保険料を押し上げている要因について(1)修理部品や人手にかかる費用の増大(2)過去数年に及ぶ自動車販売価格の上昇(3)再保険会社の需要減退――などを挙げたほか、自然災害リスクも関係しているのではないかとの見方を示した。
ただ今後の自動車保険料の動きだけで、CPI全体をどれほどかく乱するのか、また米連邦準備理事会(FRB)の政策運営にどの程度影響を与えるのかは、まだ読み切れない。
サイモンズ氏は「現時点から向こう1年でさらに10―20%も上がるとは思っていないが、私は保険の専門家ではない。上昇率と金融政策への影響を予想するのは難しい」と述べた。
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