• 2024/01/11 掲載

NY市場サマリー(10日)ドル/円上昇、利回りまちまち 大型株に買い

ロイター

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<為替> ドルが対円で上昇する一方、対ユーロでは下落した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期を巡り、投資家は11日発表の12月米消費者物価指数(CPI)待ちの姿勢を取っている。

こうした中、暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.64%高の4万6438ドルとなった。米証券取引委員会(SEC)の短文投稿サイトX(旧ツイッター)アカウントに何者かが不正にアクセスし、ビットコイン現物に連動する上場投資信託(ETF)を承認したとの偽メッセージを書き込んだことが明らかになった。

ドル指数は0.14%安の102.36。ユーロ/ドルは0.36%高の1.09700ドル。

ドル/円は0.84%上昇し145.68円だった。

11日に発表されるCPIはドルの方向性を左右する可能性が高い。ヘッドラインインフレ率は前月比0.2%上昇、前年比3.2%上昇が予想されている。

トレーダーらは、インフレ率がFRBの目標である2%に接近するに従い、FRBが3月に利下げを開始する可能性を織り込んでいる。

一方、日本では今週、軟調な経済指標が発表されており、日銀が今月中に政策修正に踏み切る可能性は低くなった。

バノックバーン・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「今月末の日銀政策決定会合での政策修正を見込む声も少数あるが、4月決定会合での修正の方がより安心感があると思う」と述べた。

暗号通貨では、イーサも5.19%高の2468ドルとなった。一時は2022年5月以来の高値となる2483ドルに達する場面もあった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 短期債利回りが小幅に低下した一方、長期債利回りが上昇するなどまちまちとなった。11日発表の米CPIでインフレ鈍化が示されるとの見方を受けた。

最大の焦点は11日に発表される12月CPIで、FRBの利下げ開始時期に関する新たな手掛かりとなる見通し。12日には卸売物価指数(PPI)が発表される。

ロイター調査によると、12月の米コアCPIは前月比0.3%上昇となる見込み。ただ、前年同月比では3.8%上昇と11月から伸びが鈍化するとみられている。総合CPIは前月比0.2%上昇と予想されている。

FHNフィナンシャル(ニューヨーク)のマクロストラテジストは「誰もが11日のCPI発表を待っている。これによってFRB当局者からのコメントが相次ぐはずだ」と指摘。「そのためきょうの米国債の動きはCPI発表前のポジション調整とみている」とした。

もっとも、コアCPIの前月比0.3%上昇は高い水準であり、利下げ開始時期に対する予想が3月から5月に後ずれする可能性があるとした。

一方、LSEGによると、米金利先物市場では3月に利下げが行われる確率が約68%となっている。また年内に0.25%ポイントの利下げが約5回行われるとの見方を織り込んでいる。

午後の取引で、指標10年債利回りは1.9bp上昇の4.034%。

この日実施された10年債入札では最高落札利回りが4.024%となった。応札倍率は2.56倍と、先月の2.53倍や平均の2.48倍を上回った。アクション・エコノミクスによると昨年2月以来の高水準という。

海外中銀を含む間接入札者の落札比率は66.1%と先月の63.8%を上回った。

クレジットサイツのグリフィス氏は「10年債の需要はかなり底堅いようだ。今日の10年債に対する間接入札者からの需要が示すようにすぐに利回りが5%に戻るとは思えない」とした。

30年債利回りは1.5bp上昇の4.198%。

2年債利回りは4.366%とほぼ変わらず。

2・10年債の利回り格差はマイナス33.9bpとマイナス幅が縮小した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 大型株主導で上昇して取引を終えた。ただ、インフレ統計や銀行決算の発表を週内に控え、上げ幅は限定的だった。

米10年債の利回りが4%付近にとどまり、入札で平均を上回る需要が集まったことを受け、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、エヌビディアなどがS&P総合500種を押し上げた。

メタは3.65%高。2021年9月以来の場中高値を付け、S&P通信サービス指数をけん引した。みずほが目標株価を400ドルから470ドルに引き上げた。

エヌビディアは上場来高値を更新し、2.28%高で終了。半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が10日公表したデータに基づく23年第4・四半期売上高が前年同期比でほぼ横ばいとなり、会社予想と市場予想のどちらも上回った。

米株は昨年末に力強い上昇を見せたが、その後は強弱まちまちの経済指標やFRB当局者発言を受けて利下げの時期や規模を巡る期待が後退する中、上昇モメンタムを見い出せず、S&P500は昨年末比でほとんど上昇していない。ただ、同指数はこの日の上昇を受け、22年1月3日に付けた終値での最高値まであと0.27%となった。

市場の関心は11、12日にそれぞれ発表される12月の米消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)に移る。

12日には米銀大手JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)が決算を発表する。

暗号資産(仮想通貨)関連株は大半が下落し、コインベースは0.46%安、ライオット・プラットフォームズは1.21%安。

過去2日間で9.3%急落したボーイングは反発し、0.92%高で引けた。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米インフレ指標の発表待ちで様子見ムードが強まる中、4営業日続落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比5.20ドル(0.26%)安の1オンス=2027.80ドル。

米労働省は11、12日にそれぞれ米消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)を発表する。両指標の結果から米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換時期や規模に関する手掛かりを得たいとの思惑が広がり、相場は序盤からジリ安となり、終盤は安値圏で足踏み状態となった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 石油製品全般の在庫増加が嫌気され、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比0.87ドル(1.20%)安の1バレル=71.37ドルだった。3月物は0.85ドル安の71.44ドル。

米エネルギー情報局(EIA)が午前発表した5日までの1週間の米石油在庫統計によると、原油在庫は前週比130万バレル増と、市場予想(70万バレル減)に反する積み増しとなった。加えて、ガソリン在庫は800万バレル増、ディスティレート(留出油)在庫は650万バレル増と、ともに市場予想を大きく上回った。特にガソリン在庫は2022年2月以来約2年ぶりの高水準となった。これを受け、需給の緩みが意識され、原油は売られた。

欧州の景気先行き不透明感もエネルギー需要減退の懸念につながり、相場を圧迫した。欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は10日、ユーロ圏が昨年の第4・四半期にリセッション(景気後退)に陥っていた可能性があると述べたほか、今後の景気見通しも依然として弱いとの見解を示した。

一方、9日付のEIA短期エネルギー見通し(STEO)では、24年と25年の国内産油量が過去最高水準に達するとの予想が示された。背景には生産効率の向上があるという。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 145.73/145.76

始値 144.98

高値 145.83

安値 144.99

ユーロ/ドル NY終値 1.0971/1.0975

始値 1.0944

高値 1.0972

安値 1.0933

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 109*06.00 4.2064%

前営業日終値 109*19.00 4.1840%

10年債(指標銘柄) 17時05分 103*25.00 4.0302%

前営業日終値 103*28.50 4.0170%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*00.00 3.9735%

前営業日終値 98*31.50 3.9770%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.38 4.3601%

前営業日終値 99*24.63 4.3730%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 37695.73 +170.57 +0.45

前営業日終値 37525.16

ナスダック総合 14969.65 +111.94 +0.75

前営業日終値 14857.71

S&P総合500種 4783.45 +26.95 +0.57

前営業日終値 4756.50

COMEX金 2月限 2027.8 ‐5.2

前営業日終値 2033.0

COMEX銀 3月限 2306.6 ‐2.5

前営業日終値 2309.1

北海ブレント 3月限 76.80 ‐0.79

前営業日終値 77.59

米WTI先物 2月限 71.37 ‐0.87

前営業日終値 72.24

CRB商品指数 262.3126 ‐2.3732

前営業日終値 264.6858

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