- 2024/01/05 掲載
中国の「融資平台」、債務の早期償還を積極推進 投資家から不満も
[上海/シンガポール 4日 ロイター] - 中国の地方政府傘下のインフラ投資会社「融資平台(LGFV)」が2018年以来の早いペースで債務の早期償還を進めている。中央政府が地方政府の借り入れコスト圧縮を狙って打ち出した債務借り換えプログラムが呼び水となった形だが、利回りの高い融資平台債を手放したくない投資家から不満の声も出ている。
融資平台による債務償還は、中央政府が地方政府に1兆元(1398億5000万ドル)相当の特別借り換え債の発行を認めた昨年10月以降に急増。ファイナンシャル・チャイナ・インフォメーション・テクノロジーのデータによると、昨年12月の早期償還は378億元相当と、月間として5年ぶりの高水準となった。
一方、投資家は高利回りのLGFV債から得られる利益を失うことを懸念しているほか、融資平台債並みのリターンを見込める代替商品がないことから償還に抵抗。景気低迷と不動産市況の悪化に見舞われる中、2024年に大量の債券が満期を迎える地方自治体は財政が一段と苦しくなっている。
市場関係者は「償還資金を再投資すればリターンが下がる」ため、債券保有者は早期償還に応じようとしないと述べた。
PR
PR
PR