- 2024/01/04 掲載
投資のイロハ、メタバースで=高校生ら、シニアにも学習熱―新NISA
幅広い世代で金融知識を身に付ける動きが広がっている。東京都内の高校ではインターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した授業で資産形成を指南。新たな少額投資非課税制度(NISA)が1月に始まったことから、証券会社が開いたセミナーにはシニアが集まり、学習熱が高まっている。
学習指導要領の改定に伴い、2022年度から高校の家庭科で資産形成の視点を盛り込んだ金融教育が始まった。都立国際高(目黒区)では23年12月19日、2年生14人が野村総合研究所の教材を使い、メタバースの世界で自身の資産価値がどう変化するかを疑似体験した。
生徒は03~08年、08~18年、18~23年の計三つの年代にタイムスリップしたとの想定で、自身のアバター(分身)に情報収集などをさせ、100万円を元本に国内外の株式や債券を組み合わせた投資信託を選択。資産配分は年代ごとに変えることができ、各自の運用成績についてそれぞれ発表した。生徒は08年のリーマン・ショックや13年以降の日銀の大規模金融緩和などが資産の増減にどう影響したかを学んだ。
女子生徒は「進学や結婚などに備え、資産は持っておきたい」と実感を深めた様子。別の女子生徒は「収入を得て貯金するだけで暮らしていくのは厳しいと両親と話したことがある。投資に一層興味が高まった」と感想を述べた。伊東純子教諭は「リスクを分散させ、長期的な視野を持ち、資産を形成することが大事。時間を味方に付ける選択肢の存在を理解してもらえれば」と語った。
「人生100年時代」を迎え、シニア世代も資産運用へ関心を高める。大和証券が23年11月、都内で開いた新NISAセミナーでは約140人が会場を埋め、担当講師の解説に耳を傾けた。70代の元自営業女性は「NISAは若い人向けと思っていたが、説明会には同年代も大勢いて、もっと積極的になってもよいと思った」と話した。
みずほ証券が横浜市のホテルの一室で開いたセミナーには14人が参加した。70代の元会社員男性は「年金生活なので少しでも資産を増やせれば。具体的にどう運用するのがベストなのか知りたい」と意欲的だった。
【時事通信社】 〔写真説明〕東京都立国際高校で行われたメタバースを活用した金融教育の授業=2023年12月19日、東京都目黒区 〔写真説明〕大和証券が開いた新たな少額投資非課税制度(NISA)セミナー=2023年11月22日午後、東京都千代田区 〔写真説明〕東京都立国際高校で行われたメタバースを活用した金融教育の授業=2023年12月19日、東京都目黒区
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