- 2023/12/30 掲載
NY市場サマリー(29日)ドル小幅高、株価小幅安 10年債利回り上昇
市場では3月に最初の利下げが行われ、年末までに158ベーシスポイント(bp)の利下げが実施されるとの見方を織り込んでいる。
ドル指数は0.13%高の101.32。年間では2.10%安。今四半期では4.62%安と過去1年で最大の下げとなった。
ユーロ/ドルは0.19%安の1.1040ドル。年間では3.04%高と、20年以来初のプラスとなった。
ポンド/ドルは0.08%高の1.2745ドル。年間では5.39%高と17年以降で最大の上げを記録した。
ドル/円は年間で7.56%上昇する見込み。
スイスフランは今年最も好パフォーマンスだった通貨の一つで、ドルはスイスフランに対し、年間で8.99%下落と10年以降で最大の下げだった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.23%安の4万2059ドル。年間では154%高となる見込み。
<債券> 今週発表された一連の低調な指標が消化される中、指標となる10年債利回りが上昇して今年の取引を終えた。米経済が来年に景気後退に陥る可能性も意識されている。
今年最後の取引日となる29日は、米東部時間午後2時(日本時間30日午前4時)までの短縮取引となった。
終盤の取引で、10年債利回りは2.9ベーシスポイント(bp)上昇の3.879%。前年同時期からは4.5bp上昇した。一方、第3・四半期末からは69.2bp低下と、大幅な低下を記録した。
金利見通しに敏感な2年債利回りは3.1bp低下の4.249%。前年同時期からは11.8bp、第3・四半期末からは79.7bpそれぞれ低下した。
30債利回りは4.3bp上昇し4.031%
朝方発表された12月のシカゴ景気指数が46.9と、前月から低下し、予想を下回ったことを受け、10年債利回りは低下する場面もあった。
2・10年債の利回り格差はマイナス38.6bp。
市場では米連邦準備理事会(FRB)が早ければ来年3月にも利下げに着手し、2024年末までに最大152bpの利下げが実施される可能性があるという見方が織り込まれている。
<株式> 小幅安で取引を終えた。来年の米利下げ期待を背景とする年末ラリーが一服した。
年間では主要3株価指数がいずれも2桁の上昇を記録した。
小型株で構成するラッセル2000指数は年間で15.1%上昇。10月下旬時点での年初来7.1%安から急回復した。
主要3株価指数は9週連続で上昇。S&P総合500種は04年1月以来、ダウ工業株30種とナスダック総合は19年初以来となる最長の連騰記録となった。
S&P500は22年1月3日につけた終値の過去最高値まであと1%に迫っている。終値でこの水準(4796.56ポイント)を上回れば強気相場入りが確認される。
今年は3月の米銀行危機、人工知能(AI)関連ブーム、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争に起因する原油供給不安、米連邦準備理事会(FRB)の制約的な政策による米リセッション(景気後退)入り懸念などで波乱含みの年だった。
ただ、インフレ鈍化を受けてFRBが来年利下げへの道を開いたことで金利が低下し、米国株の年末ラリーにつながった。
この日はS&P500の主要11セクターのうち、不動産が最も下落。一方、主要消費財とヘルスケアのみ上昇した。
年間では情報技術、通信サービス、一般消費財がアウトパフォームする一方、公益事業、エネルギー、主要消費財は下落した。
個別銘柄では、ウーバー・テクノロジーズが2.5%安、リフトが3.5%安となった。ノムラがライドシェアサービス業を格下げしたことを受けた。
<金先物> 年末で閑散商いとなる中を、米長期金利が一時上昇したことを背景に続落した。 中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比11.70ドル(0.56%)安の1オ ンス=2071.80ドル。年間では13.45%上昇した。
2023年の金相場は、中東地域での紛争や米インフレ圧力の減速を受けた米早期利下げ観測の拡大などを背景にほぼ右肩上がりで上昇し、12月には相次いで史上最高値を更新。同月27日には中心限月の清算値としては最高値の1オンス=2093.10ドルまで上昇した。
<米原油先物> 年末で薄商いとなる中、対ユーロでのドル高を背景に売られ、3日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物は前日清算値(終値に相当)比0.12ドル(0.17%)安の1バレル=71.65ドルだった。年間では10.73%下落した。29日の3月物は0.13ドル安の71.84ドル。
外国為替市場では対ユーロでドル買いが先行。ドル建てで取引される商品の割高感につながり、原油を押し下げた。一方で、前日に大幅安となった反動から安値を狙った買いや持ち高調整目的の買いも入り、下げ幅は限定的だった。年末年始の休暇シーズンで薄商いとなる中、ドル相場以外には目立った材料がなく、相場は終日にわたって方向感のない商いだった。
ドル/円 NY終値 141.06/141.07
始値 141.54
高値 141.88
安値 140.81
ユーロ/ドル NY終値 1.1036/1.1038
始値 1.1075
高値 1.108
安値 1.1035
米東部時間
30年債(指標銘柄) 14時30分 112*20.50 4.0191%
前営業日終値 113*06.50 3.9890%
10年債(指標銘柄) 14時30分 105*05.00 3.8660%
前営業日終値 105*09.50 3.8500%
5年債(指標銘柄) 14時30分 99*19.00 3.8401%
前営業日終値 99*18.00 3.8470%
2年債(指標銘柄) 14時30分 100*00.00 4.2499%
前営業日終値 99*30.13 4.2810%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 37689.54 -20.56 -0.05
前営業日終値 37710.10
ナスダック総合 15011.35 -83.78 -0.56
前営業日終値 15095.14
S&P総合500種 4769.83 -13.52 -0.28
前営業日終値 4783.35
COMEX金 2月限 2071.8 ‐11.7
前営業日終値 2083.5
COMEX銀 3月限 2408.6 ‐28.6
前営業日終値 2437.2
北海ブレント 3月限 77.04 ‐0.11
前営業日終値 77.15
米WTI先物 2月限 71.65 ‐0.12
前営業日終値 71.77
CRB商品指数 263.8254 ‐2.5517
前営業日終値 266.3771
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