- 2023/12/29 掲載
年間の日経平均は28.2%高、日本株再評価の兆し 上昇幅は歴代第3位
Mayu Sakoda
[東京 29日 ロイター] - 2023年の日経平均株価は年間で28.2%(7369円67銭)上昇した。日経平均の年間プラスは2年ぶりで、上昇幅は歴代第3位となった。為替がドル高/円安となったことで企業業績が押し上げられたほか、価格転嫁や賃上げのモメンタムも広がった。東京証券取引所による企業への資本効率の改善要請も奏功し、海外投資家を中心に日本株を再評価する動きがみられた。TOPIXも年間で25.0%上昇した。
日経平均は5月に大台の3万円を回復し、11月にバブル崩壊後の高値を更新した。年間の上昇率は歴代第7位、上昇幅は1989年(29.0%増、8756円87銭)、1988年(39.8%増、8595円00銭)とバブル期に次ぐ第3位となった。ロシアのウクライナ侵攻などをきっかけに世界的にインフレが進行し、利上げが行われた22年から一転、23年の株価は底堅い展開となった。
28日までに米国のナスダック総合指数は44.2%上昇、ダウ工業株30種が13.8%上昇、欧州ではSTOXX欧州600種が3.6%の上昇となっており、海外株式と比較しても日本株の強さが際立った1年となった。
SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は「約30年の間に失われていたものがようやく埋まってきた1年」と振り返る。今年は経営効率やインフレ定着に向けた「期待」が日本株を押し上げたと分析し、来年はそれが「現実」になるかを見極める1年になるという。「PBR(株価純資産倍率)、インフレ率などの指標で改善が確認できた場合、海外投資家がもう一段買ってくる可能性は十分ある」との見方を示した。
業種別の年間騰落率では、鉄鋼(51.0%増)、海運(47.1%増)、卸売業(38.6%増)、輸送用機器(37.9%増)、鉱業(36.3%増)などが上位となり、下落したのは医薬品(1.0%減)のみだった。
日経平均225採用銘柄では、神戸製鋼所(2.8倍)、SCREENホールディングス(2.8倍)、アドバンテスト(2.2倍)、川崎汽船(2.1倍)などが上位となった。
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