• 2023/12/28 掲載

サービス軸、構造転換へ買収も=半導体子会社売却「最適手段」―時田富士通社長

時事通信社

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富士通の時田隆仁社長は28日までにインタビューに応じ、サービス中心の事業構造への転換に関し「事業戦略に沿ったM&A(合併・買収)があればしっかりと実行していきたい」と述べた。同社はデジタルや脱炭素など社会課題の解決を目指す新たな事業ブランド「ユーバンス」を軸に据え、非中核事業を売却する構造改革を進めている。

富士通は5月に小売業向けにデジタル技術を活用した販売管理サービスなどを提供している独ソフトウエア会社を買収した。時田氏は狙いを「ユーバンスの領域を強化するため」と説明。今後も必要に応じてM&Aを活用していくとともに、7000億円としているユーバンス関連の売上高目標について、「適切な時が来れば上方修正したい」と意欲を示した。

一方、半導体パッケージ基板を手掛ける子会社の新光電気工業を、官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)に売却することについて、経済安全保障面も考慮して「国とも相談しながら最適なスキームが組めた」と語った。大日本印刷、三井化学と組んだJICによる買収総額は約6850億円に及ぶ。

また、傘下の空調大手富士通ゼネラル、電池製造のFDKの2社の売却については「(売却の)方向性は変えていない」と強調。売却交渉に時間がかかっていることに関しては、「市場を混乱させてはいけないので慎重に進めている」と述べた。

子会社が提供するマイナンバーカードを使った証明書の誤交付が相次いだことに関しては、サービスの改善・改良に「ゴールはない」と指摘。「(組織の)硬直化や時代変化に合わなくなるのが何より危惧すべきことだ」と話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに応じる富士通の時田隆仁社長=21日、東京都港区

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