• 2023/12/20 掲載

ダイハツが全車種の出荷停止、不正対象拡大 国交省立ち入り検査へ

ロイター

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Maki Shiraki

[東京 20日 ロイター] - トヨタ自動車傘下のダイハツ工業は20日、国内外で生産中の全車種の出荷を一時停止すると発表した。車両の安全性を確認する試験での不正問題を巡り、対象車種が拡大するため。トヨタも同日、該当する車種の出荷一時停止を決めたと発表した。国交省は21日にダイハツ本社へ立ち入り検査する。

外部弁護士らによる第三者委員会の調査結果によると、新たに25の試験項目で174個の不正行為があったことが判明。不正対象は生産・開発中と生産終了の両方を合わせて64車種・3エンジンで、OEM(相手先ブランドによる生産)供給したトヨタ、マツダ、SUBARUの各ブランドによる車種も含まれる。現時点で事故の情報は把握していない。

会見した第三者委員会の貝阿彌誠委員長は、不正の責任は「経営陣にある」と説明。問題の真因は過度な「短期開発の推進」にあると指摘した。1989年から不正が行われていたが、2011年発売の軽自動車「ミライ―ス」が従来に比べ短い期間で開発に成功してから短期間開発の車種が増えたという。

同委員長は、管理職が指示・黙認するなどの関与は確認しておらず「現場任せになっていた」などと述べ、「チェック体制が構築されておらず、不正やごまかしを行っても見つからない状況だった」と語った。一方、親会社のトヨタには「責任があるとは考えていない」と話した。

ダイハツは、「全ての責任は経営陣にある」との見解を発表。短期開発で「現場の負荷が見逃され、現場が困った時に声を上げられない環境を放置してきた」とした。

トヨタは「ダイハツでの認証業務の状況を把握できていなかったと深く反省する」とした上で、「ダイハツの会社再生に向けた抜本的な改革が必要」とした。

ダイハツはこの日、第三者委員会による調査結果を国土交通省に報告した。国交省は21日午前9時からダイハツ本社へ立ち入り検査をし、不正行為の事実関係などを確認する。

ダイハツは今年4月、海外市場向けの4車種で不正があったと発表。一部の車種はトヨタ車ブランドで販売されていた。前席のドア部品に本来の仕様にはない切り込み加工を施し、側面衝突試験を実施していたことが発覚。その後5月には、国内で販売する2車種でも衝突試験での認証手続きに不正があったことを公表した。

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