• 2023/12/20 掲載

24年度の市中向け国債171兆円で調整、当初比減額19.3兆円=関係筋

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Takaya Yamaguchi

[東京 20日 ロイター] - 財務省は、近く策定する2024年度国債発行計画で、市中向けのカレンダーベース発行額を当初比19.3兆円減の171.0兆円とする方向で最終調整に入った。累次のコロナ対策で短期に偏った調達構造を見直すほか、日銀のマイナス金利解除を巡る市場観測がくすぶる現状に対処する。複数の関係筋が明らかにした。

カレンダー発行の減額は3年連続。コロナ禍のピーク(21年度当初の221.4兆円)からは50兆円程度少ない発行規模となる。23年度当初は発行予定額を190.3兆円としていた。

年限別では、2年債の月次発行額を24年4月から0.3兆円減らし、新たに2.6兆円とする。年間発行額は当初比3.6兆円減の31.2兆円となる。

2年や5年などの中短期債は、金融政策の動向に敏感に反応しやすい。次年度計画では2年債と併せて5年債も0.2兆円減らし、月次発行額を2.3兆円とする。当初比2.4兆円減の27.6兆円が新たな年間発行額となる。

計画策定に先立つ市場参加者との協議で「金融政策の不透明感が増している状況下で5年や2年、割引債の各年限に減額余地がある」と指摘されたことも踏まえ、割引短期国債のうち、1年物の月次発行額を0.3兆円少ない3.2兆円に見直す。通年では、当初比3.6兆円減の38.4兆円とする方針だ。

長期金利の指標となる10年債の月次発行額は0.1兆円減の2.6兆円とする。年間発行額は、当初比1.2兆円減の31.2兆円となる。

需給不安の強い20年債は0.2兆円減の1.0兆円とし、年間発行額を12.0兆円に減額する。新年度を待たず24年1月から前倒しで減額する。

一方、30年債と40年債の発行額はいずれも変更しない。10年物価連動債も現行の発行額を据え置く。

流動性供給は、残存5年から15.5年ゾーンの発行を1回当たり0.1兆円増額する。日銀保有比率が9割を超える銘柄もあり、流通市場で需給がひっ迫するのを避ける狙い。供給入札全体の年間発行額は、当初比1.2兆円増の13.2兆円となる。

脱炭素社会の実現を巡り、24年2月に初入札を行うGX経済移行債の個別発行銘柄「クライメート・トランジション利付国債」は、24年度の発行予定額として1.4兆円を計上する。

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