- 2023/12/20 掲載
海運各社、紅海の治安悪化に対応 追跡情報遮断や別航路模索
[19日 ロイター] - イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海周辺で商船への攻撃を繰り返していることを受け、海運業者が航路の変更や輸送費の調整に乗り出す中、紅海上に停泊するコンテナ船が増えているほか、位置情報を追跡するシステムを遮断する船舶が相次いでいる。
主要な紅海の航行ルート上での船舶に対する攻撃が、コロナ禍後の国際貿易に新たな混乱をもたらすことへの懸念が高まっており、米国主導の有志連合がイエメン周辺海域の警戒監視活動を実施する。
スエズ運河によって地中海とつながる紅海は、欧州とアジアを結ぶ最短航路。世界の海上輸送の約12%がスエズ運河を経由している。
海運大手各社では、ドイツのハパックロイドやスイスのMSC、デンマークのマースク、英石油大手BP、石油の海上輸送を手掛けるノルウェーのフロントラインが紅海ルートを回避し、アフリカ大陸最南端の喜望峰回りにルートを変更すると発表している。
ただ、多くの船舶が依然として紅海を航行しており、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、現在航行する複数の船舶には武装した護衛が乗船しているという。
LSEGの船舶追跡情報によると、少なくとも11隻のコンテナ船がスエズ運河を通過。消費財や穀物を乗せてイエメンに到着した。シンガポールやマレーシア、アラブ首長国連邦(UAE)に向かうが、今のところスーダン、サウジアラビア間の紅海上に停泊しているという。
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