- 2023/12/15 掲載
ECB、2会合連続で金利据え置き 利下げ示唆せず
[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は14日の理事会で、政策金利の据え置きを決定した。据え置きは2会合連続。インフレ期待の低下にもかかわらず金利は高水準にとどまると改めて確認し、利下げ観測を押し戻した。
ECBは利下げの可能性は示唆せず、逆に物価上昇圧力はなお強いと強調。声明で「基調インフレは一段と緩和した」としながらも、「主に単位労働コストの大幅な伸びにより、域内の物価圧力は依然として高い」とし、「金利は必要な限り、十分に制約的な水準に設定される」と改めて表明した。
ラガルド総裁は、インフレは近く回復するとし、物価圧力は依然として強いと強調。13日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が示したハト派的な姿勢とは完全に対照的だった。
ラガルド総裁は理事会後の記者会見で「警戒を緩めるべきかと自問したが、答えはノーだ。決して警戒を緩めるべきではない」と指摘。通常よりも著しく静かなトーンで「利下げについては全く議論しなかった。議論も討論もなかった」とし、自身のことを「新型コロナウイルスの回復モードに入っている」と表現した。
また、基調的な物価圧力が緩和していることは認めつつも、域内のインフレは主にユーロ圏20カ国の賃金コストによって引き起こされており「微動だにしない」と言及。こうした賃金動向と、さらなる賃金上昇が企業によってどの程度吸収されるかについて「何が起こっているのかをよりよく理解する必要がある」とした。
ECBの決定を受け、市場が織り込むECBの利下げ観測は後退。現在、利下げは来年4月から始まり、合計1.40%ポイント引き下げられるとの見方が織り込まれている。14日序盤には市場が織り込む利下げ幅は最大1.60%ポイントだった。
ECBはまた、イン フレ見通しを一部引き下げた。24年で2.7%と3カ月前の3.2%から下方修正された。25年は2.1%、今回初めて示された26年は1.9%と見込んだ。
ユーロ圏20カ国の経済成長率は来年0.8%と9月時点の1.0%から下方修正。 25年の成長率は1.5%と前回予想を据え置いた。
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