- 2023/12/13 掲載
インフラ投資が6000億ドル目減りも、無秩序な経済グリーン化で=論文
[ドバイ 12日 ロイター] - 仏EDHEC経営大学院の研究所がまとめた論文によると、各国政府が今世紀半ばまでに環境配慮型の経済への秩序だった移行を計画しなければ、投資家はインフラ関連投資の3分の1近くに相当する約6000億ドルを失うことになる。
研究は各国政府が炭素税を遅い時期や唐突に導入する最悪シナリオを想定。このような動きはインフレを招く物価ショックを引き起こし、金利上昇につながり、投資対象の純資産価値に影響を与えることになる。
この結果、インフラ関連資産の価値が半減する可能性があるとした。
論文の共同執筆者、フレデリック・ブランブルード氏はロイターに「人々が思っているよりもリスクは大きい」と指摘した。
対照的に、二酸化炭素(CO2)排出量を抑制するシステムに徐々に移る「秩序ある移行」の場合、関連コストは通常の事業運営の一部として吸収される。
研究では両シナリオに基づき空港、有料道路、発電所、港湾、パイプラインなど9000のインフラ資産を分析した。
秩序だった移行が実現しない場合に最大のショックを受けるのはエネルギー・水道企業への投資家とし、投資額の38%、額にして約860億ドルの損失に直面することになると試算。
このほか、ネットワーク型公益事業とデータインフラへの投資はそれぞれ33%(1040億ドル)と32%(610億ドル)目減りするとした。
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