- 2023/12/12 掲載
カメラメーカー、独自色でスマホ世代に照準=アクセサリー感覚、旧型も人気
カメラメーカーが、スマートフォンのカメラに慣れた10~20代を中心とする「Z世代」を振り向かせようと工夫を凝らしている。アクセサリー感覚で持ち歩ける小ささや動画撮影機能の強化など独自色をアピール。旧型のコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)も人気が再燃、中古市場で取引が活発化している。
富士フイルムは10月、「チェキ」の愛称で知られるインスタントカメラの新商品「インスタックス
パル」を発売した。プリント機能のない手のひらサイズ。印刷は画像を無線通信で送り、別売りの専用プリンターで行う。富士フイルムホールディングスの後藤禎一社長は「販売好調で増産している」と手応えを示す。
スマホ撮影では物足りず「高画質で手軽に動画を撮りたい」という需要に照準を定めたのはキヤノン。6月に投入した本格的な動画撮影ができるデジカメ「パワーショット
V10」は、スマホ世代もなじみやすい小ぶりな縦型デザインで、大口径マイクやスタンドも内蔵する。広報によると「予約は想定の2倍以上で、売れ行きは好調」だ。
若者らの間で2000年前後の「Y2Kファッション」が流行する中、旧型コンデジの人気も再燃。フリーマーケットアプリ「メルカリ」では、今年10月末まで1年間の取引数が前年比約2.5倍に。平均取引価格も19年から右肩上がりという。ただ近年は、スマホに押され新品の流通量が減少。これに伴い、中古品についても「在庫確保が課題」と、ゲオホールディングスのリユース店「セカンドストリート」の担当者は指摘している。
【時事通信社】 〔写真説明〕富士フイルムが発売した、手のひらサイズのカメラ「インスタックス
パル」=9月21日、東京都渋谷区 〔写真説明〕キヤノンの本格的な動画撮影ができるカメラ「パワーショット
V10」=5月11日、東京都港区
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