- 2023/12/12 掲載
NY外為市場=円下落、マイナス金利政策継続との見方
日銀の植田和男総裁は先週7日、「チャレンジングな状況が続いているが、年末から来年にかけ一段とチャレンジングになるというようにも思っている」とし、情報管理を徹底しつつ、丁寧な説明、適切な政策運営に努めていくと続けたことで、市場では12月や1月の会合での政策の追加修正の「地ならし」の思惑が台頭。日本円が急騰した。
一方、ブルームバーグは11日、日銀は賃金と物価の好循環の実現に向けた十分な確証が得られていないため、マイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)の撤廃などを今月急ぐ必要はほとんどないとの認識と報じた。
マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は、この日の円下落について「正しい反応」と指摘。「先週の植田氏の発言は実際にマイナス金利を終了させるという具体的な発言ではなかった」とした。
ドル/円は一時146.58円まで上昇。終盤は0.85%高の146.14円だった。円は7日に対ドルで141.6円まで上昇していた。
ドル指数は0.13%高の104.08。
ユーロ/ドルは1.0762ドルと変わらず。ポンド/ドルは0.06%高の1.2555ドルだった。
市場では12日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)が注目されている。総合インフレは前月比では変わらずとなる見込み。前年同月比は3.1%上昇と10月の3.2%上昇から鈍化する見通し。
一方、米ニューヨーク連銀が11日発表した11月の消費者調査によると、ガソリン代と賃貸料の上昇率が鈍化するとの予想を反映し、1年先のインフレ期待が約2年ぶりの低水準となった。
中国の人民元は3週間ぶりの安値に下落。中国国家統計局が9日発表した11月の物価統計は、消費者物価指数(CPI)が過去3年で最も落ち込み、生産者物価指数(PPI)も下落幅が拡大した。
人民元はオンショア市場とオフショア市場の両市場で3週間ぶりの安値を付けた。オンショア人民元は1ドル=7.1750元。人民元の流動的な代替通貨として取引されることの多い豪ドルは0.17%安の0.6566米ドルとなった。
ドルは対ノルウェークローネで0.39%高の10.95クローネとなった。一時10.99クローネと11月14日以来の高値を付けた。
ロイター調査によると、ノルウェー中銀が今週利上げを継続するかどうかを巡りアナリストの意見は分かれている。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが7%超急落し4万0542ドルとなった。
ドル/円 NY午後4時 146.19/146.22
始値 146.13
高値 146.58
安値 146.06
ユーロ/ドル NY午後4時 1.0763/1.0767
始値 1.0765
高値 1.0770
安値 1.0742
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