- 2023/09/26 掲載
EU、中国と対話再開で合意 EV調査は継続
中国を訪問している欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は何立峰副首相と会談し、中国に進出しているEU企業は事業環境を巡る問題が増大していることを懸念していると表明。同時に、原材料のサプライチェーン(供給網)に関するEUと中国の透明性のあるメカニズムを巡る協議の継続で合意したほか、金融規制に関する作業部会を設置すると明らかにした。
ドムブロフスキス氏は、金融サービス分野におけるデータ移転と、化粧品産業における市場アクセス問題を協議するための2つの作業部会設置のほか、原材料の供給網を巡る問題に対応する紛争解決メカニズムを設置することで合意したと表明。市場アクセス問題やその他の貿易障壁に関する協議後、「EUの企業は中国のサクセスストーリーの一部になることを望んでいる。このため、ビジネス環境について協議する時間を設けることが重要になる」と語った。
欧州委員会は今月、域内に流入する中国製の電気自動車(EV)からEUのメーカーを保護するために関税措置が必要になるか調査を開始したと表明。
中国の何副首相は北京の釣魚台国賓館で行われた共同記者会見で「中国はEUが貿易救済措置の行使を自制し、中国とEUの貿易発展への期待を安定させることを望んでいる」とし、「欧州は慎重に行動し、域内の市場を自由で開かれたものにし続けなければならない」と述べた。
ドムブロフスキス氏はこれに先立ち北京の清華大学で講演し、EUは中国との関係を断ち切るつもりはないとしながら、中国はEUが認識するリスクを減らすために「多くのことができる」と指摘。欧州と中国の経済的結び付きは深いとも述べた。
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