• 2022/08/25 掲載

欧州ガス危機、ユーロ安に拍車=対ドルで再び等価割れ

時事通信社

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【ロンドン時事】天然ガスなどエネルギー価格の高騰に苦しむ欧州経済の先行きを懸念し、外国為替市場でユーロを売る動きに拍車が掛かっている。ユーロの対ドル相場は7月中旬以来、再び1ユーロ=1ドルの等価(パリティー)を割り込み、24日には一時0.9910ドルまで下げた。これに伴い、足元の円相場も対ユーロが1ユーロ=136円台と、対ドルでの1ドル=137円台を下回る異例の逆転現象が起きている。

ユーロ安が再び加速したのは、ロシア産天然ガスの欧州向け供給に不安が高まったのがきっかけだ。ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは19日、ドイツに天然ガスを運ぶパイプライン「ノルドストリーム」の稼働を今月末から3日間、設備の保守点検を理由に停止すると発表。これを受け、週明け22日の欧州ガス先物相場は前週末比で約13%高と急伸した。

足元の欧州のガス価格は年初来で約4倍にも達している。暖房需要が高まる冬場に向けて一段と値上がりすれば、家計や企業活動を圧迫し、欧州経済は長期的な景気後退に陥る可能性が高い。こうした見方がユーロの対ドル相場を約20年ぶりの安値に押し下げている。

欧州中央銀行(ECB)はインフレ抑制に向け、9月の定例理事会で2会合連続となる大幅利上げに踏み切る見通し。ただ、市場関係者の多くは、ウクライナ情勢に起因したエネルギー高を抑える効果は低く、ユーロ安が当面続くとみている。

【時事通信社】

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