• 会員限定
  • 2018/05/21 掲載

AIは「自分が働いている間は影響はない」、楽観視する労働者の言い分

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
日本労働組合総連合会(連合)は2月、「AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査」の結果を発表した。本調査は、労働者がAIについてどのようなイメージを持っているのか、また、AIが職場環境、働き方、労働条件へどのような影響を及ぼすと考えているのかを把握するために実施したもの。2017年12月15日~12月19日、ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする20歳以上の働く男女を対象に、インターネット調査により実施された。有効回答者数は1000名。
photo
AIで働き方はどのように変わるか
(© sh22 – Fotolia)


AIの認知率は9割、記憶力や正確性、マルチタスクなどに優れるイメージ

 AIの認知について聞いたところ、「意味をよく知っている」は31.5%、「言葉自体は聞いたことがある」は57.8%となり、それらを合わせた認知率は89.3%で、「まったく知らない」は10.7%であった。AIが9割近くの人に認知されていることがわかった。男女別では、「意味をよく知っている」と回答した割合が、男性では40.8%であるのに対し、女性では19.6%にとどまった(図1)。

画像
図1:AIとはどのようなものか知っているか(単一回答形式)
(出典:日本労働組合総連合会 報道発表)


 AIのイメージについての質問では、「あてはまる」「ややあてはまる」の合計が最も多かったのは「記憶力や情報量が多い」で76.8%、以下「ミスが少なく正確な判断ができる」(67.5%)、「複数の事象を把握・対応ができる」(64.2%)、「経験にもとづいた対応ができる」(61.4%)と続いた。記憶力や正確性、マルチタスク能力などに優れているとイメージしている人が多いことがわかった。

 一方で、「相手の意図を汲み取り、臨機応変な対応ができる」は38.8%、「抽象的な概念から具体的な物体を作るなど創造性がある」は34.3%となり、臨機応変な対応や創造性の能力については、他の内容に比べて優れているとイメージしている人は少なかった。

 年代別では、ほとんどのイメージにおいて、年代が上がるにつれて「あてはまる」が高くなった。業種別では、「ミスが少なく正確な判断ができる」や「複数の事象を把握・対応ができる」とのイメージを持っている人の割合が最も高かったのは金融・保険業で、それぞれ約8割(「ミスが少なく正確な判断ができる」82.3%、「複数の事象を把握・対応ができる」79.4%)であった(図2)。

画像
図2:AIのイメージ(各単一回答形式)※『あてはまる』(「あてはまる」+「ややあてはまる」の合計)の割合を表示
(出典:日本労働組合総連合会 報道発表)


職場へのAI導入で、仕事の負担は「楽になる」「変わらない」がほぼ同数

 AIの普及に対する意識として、今後AIが普及することについて、期待しているか、不安であるかを聞いた。その結果、「期待している」(「大いに期待している」「やや期待している」の合計)は54.5%、「不安である」(「かなり不安である」と「やや不安である」の合計)は12.7%となり、半数以上の人がAIの普及に期待感を持っていることがわかった。

 業種別では、「期待している」が最も高かったのは金融・保険業で70.6%であった。また、製造業(64.7%)や公務等(62.3%)、教育・学習支援業(62.0%)でも6割を超え、AIの普及に期待している人が多い(図3)。

photo
図3:今後、AIが普及することに対してどう思うか(単一回答形式)
(出典:日本労働組合総連合会 報道発表)


 今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の仕事が変わっていくと思うかという質問では、「変わる」(「かなり変わる」「やや変わる」の合計)が65.6%、「変わらない」(「まったく変わらない」「あまり変わらない」の合計)が34.4%で、3人に2人がAIによって自分の仕事が変わると考えていることがわかった。

 業種別では、「変わる」と予想した人は、情報通信業(74.6%)、医療・福祉(73.8%)、製造業(73.5%)、飲食店・宿泊業(73.5%)、公務等(71.2%)では7割を超え、金融・保険業(67.7%)や運輸業(68.3%)でも7割近くになった。一方、「変わらない」と予想した人の割合が他業種と比べて高かったのは、不動産業(47.1%)と卸売・小売業(47.0%)であった(図4)。

画像
図4:今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の仕事は変わっていくと思うか(単一回答形式)
(出典:日本労働組合総連合会 報道発表)


 同様に今後、仕事における自分の身体的・精神的等の負担がどうなると思うかという質問では、「楽になる」(「かなり楽になる」「やや楽になる」の合計)が43.5%、「変わらない」が49.5%、「負担が増える」(「かなり負担が増える」「やや負担が増える」の合計)が7.0%となった。業種別では、情報通信業(54.0%)と飲食店・宿泊業(50.0%)が、「楽になる」と答えた割合が5割以上となった。

【次ページ】「自分が働いている間はない」理由
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます