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  • 2016/10/19 掲載

AIやIoTへの投資意欲が拡大、「経営とテクノロジーの関係が新局面に入りつつある」

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「IT投資動向調査2017」によれば、国内企業の2016年度のIT投資予算(実績)は、前年度から「増額」とした企業の割合が28.5%と、3年振りに4分の1を超える水準となった。ただ、2017年度に向けた見通しでは、弱含みの傾向もみられたという。また全110項目にわたる製品・サービスの投資意欲を聞いたところ、「IoT/M2M」「AI/機械学習」の2項目が、幅広い業種において注目度を高めていることが明らかになった。

IT予算の「増額」3年ぶりに4分の1超

 アイ・ティ・アール(ITR)は19日、国内企業のIT戦略・IT投資の意思決定に関与する役職者約2,685人に実施した国内IT投資動向調査の結果を発表した。

 同調査によれば、2016年度(2016年4月~2017年3月)のIT予算は、前年度から「増額」とした企業の割合が28.5%と、前年調査における2015年度の値(21.3%)を大きく上回り、2013年度以来、3年ぶりに4分の1を超える水準となった。一方、「減額」とした企業の割合は9.7%と前年調査の結果(8.8%)から若干上昇したものの、一桁台にとどまった。

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IT予算額増減の経年変化(2016~2017年度予想)
 2017年度(2017年4月~2018年3月)に向けた見通しでは、「増額予定」が「減額予定」を大きく上回る傾向には変化がないものの、大幅な予算の増加(20%以上の増加)(20%以上の増加)を見込む企業の割合が減少しているほか、減額を見込む企業の割合が二桁台に達するなど、やや弱含みの様相となっているという。

 なお、このIT予算の増減傾向を指数化した「IT投資増減指数」で見ると、2016年度の実績値は「2.10」となり、前年調査時の予想値(1.42)を大きく上回って2013年度と同じ値となった。

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IT投資増減指数の変化(2001~2017年度予想)
 2017年度の予想値は、2016年度の実績値を下回る「1.73」だが、これは予想値としては2009年度以降では最高の水準であり、ITへの積極的な投資意欲は持続すると見られるという。

「IoT」「AI/機械学習」への新規投資需要が拡大

 また、今回の調査では、製品/サービスの投資意欲を確認するために、全110項目について現在の導入状況と今後の投資意欲を聞いた。その結果、モバイルやクラウド、データ・マネジメント、各種セキュリティ・ツールといった、近年の調査で高い投資意欲を示していた項目に加えて、「IoT/M2M」「AI/機械学習」の2項目が、幅広い業種において注目度を高めていることが明らかになったという。

 現在未導入の企業が、次年度(2017年度)に新たに投資対象とする可能性を示す「新規導入可能性指数」を算出して業種別に分析したところ、インフラ/デバイス分野では「IoT/M2M」が、OS/ミドルウェア分野では「AI/機械学習」が、いずれも複数の業種で最も高い指数を獲得した。

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2017年度に新規投資が見込まれる製品/サービス分野(業種別)

さらに上昇した情報セキュリティ対策費用

 また、「情報セキュリティ対策」「災害対策」「内部統制」といったリスク対策費用の割合も定点観測しているが、今回の調査でもその割合は引き続き上昇していることが示された。

 なかでも「情報セキュリティ対策」費用は、過去最高を記録した前年調査からさらに1ポイント以上の上昇となる「16.4%」を記録。災害対策費用、IT内部統制向け費用の割合も、前年調査結果を上回っており、IT予算の増額分の一部がリスク対策に振り向けられている現象が浮き彫りとなっている。

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IT予算額に対するリスク対策費用割合の経年変化(2012~2016年度)


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