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  • 2016/06/15 掲載

ドローン競技会で地方創生、先陣を切るのは国家戦略特区 秋田県仙北市

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いま、圧倒的なスピードと魅力的な映像によって、新たなスポーツエンターテインメント産業として注目されているドローンレース。 今年、中東ドバイで賞金1億2,000円の世界大会が催され、大きな話題となった。こういったドローン競技会は、日本国内においても地方創生の大きな起爆剤になる可能性がある。国家戦略特区となった秋田県仙北市は、「Drone Impact Challenge」の戦いの場に選ばれた。同競技会の実行委員会代表を務めるFPV Roboticsの駒形 政樹氏は、ドローン競技会を通じて、地方創生を起こす取り組みについて説明した。
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地方創生とドローンの最新動向をFPV駒形氏が解説

一人称視点でタイムを競うドローンレースの魅力

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FPV Robotics
代表取締役社長
駒形 政樹氏
 そもそもDrone Impact Challengeとは、どういった競技会なのだろうか? 同競技会の代表を務める駒形氏は、その目的について「ドローンコミュニティの育成と健全なドローン社会を目指し、よりよい社会創造を後押しするために昨年からスタートしたレースだ。世界で注目される新しいモータスポーツのドローンレースを通じて地方創生を思いついた」と語る。現在の実行委員会は、同氏のほか、大学教授や企業・自治体などの関係者20名で構成されている。

 具体的なレースとしては、競技者がヘッドマウンドディスプレイ(HMD)をかぶり、ドローンの小型カメラから伝送されるFPV映像を視ながら複雑なコースを飛行して、タイムを競うというもの。FPVとは「First Person View」のことで、日本語に直訳すれば一人称視点という意味だ。つまり実際にドローンに乗った視点で操縦するわけだ。コースによっては時速100㎞ほどになるドローン側の視点で操縦者が没入していく。そのため非常に迫力のあるレースになり、その独特の臨場感や浮遊感はクセになるという。

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千葉県で開催された第1回 Drone Impact Challengeの模様。61名の参加者がドローンのFPV目線で操縦を競った。

 国内では、昨年11月に初めて千葉県香取市で第1回目のDrone Impact Challengeが催された。このときは61名の参加者(レギュラークラスとマスタークラスの2部構成)と、約900名の来場者が集まり、多くのマスコミも取材に訪れた。CSのフジテレビNEXTでは、レースの模様を独占放送した。また当日の模様はニコニコ動画でも流され、4万2000人の視聴があったという。そのことからも注目の高さがうかがわれるレースであった。

 レースは3名ずつの参加者で行われ、時間差をつけてスタートし、ラップタイムを競うタイムトライアル方式だ。1㎞四方の会場で、ドローンはゲートを潜り抜け、平地ゾーンを駆け抜けて、視界の狭い森林コースへ進入していく。

「レースに参加する機体は、参加者が自分たちで部品を組み立てカスタマイズしたものだ。この競技では、自分でドローンも製作するため、その技術は産業用ドローンの発展にもつながっていくと思う」(駒形氏)

 駒形氏は「首相官邸への墜落事件もあり、これまでドローンに対して、世間でもあまり良い印象がなかった。競技会の運営側として、安全を徹底的に追求し、信頼される組織づくりを目指した。レースによって、まずアマチュアスポーツの仕組みづくりに貢献したい。さらに2020年の東京オリンピック会期中に大規模な世界大会を開催し、空撮・輸送・測量などで活躍する産業用パイロットも育成したい」と意気込みを語る。

国内と海外におけるドローン競技会最新動向

 同競技会は、最近の取り組みとして「Drone Impact Challenge 2016 幕張大会」を実施した。このイベントでは、人材育成の一環として、ドローンスクールもセットで開催。千葉県の小学生を対象にしたもので、ドローン体験会のほか、レースに参加した高校生パイロットが講演を行い、ドローンの理解を子供たちに深めてもらった。

「当日は大変盛況で、予約のキャンセル待ちが100名以上も出るほどの人気だった。教育的な観点からも、同様のイベントを進めていきたい」(駒形氏)

 また同競技会は、来春のDrone Impact Challenge世界大会を目指し、この7月29日から3日間にわたり、ドローン国家戦略特区の秋田県仙北市にて、アジアカップ競技会を開催する予定だ。これを皮切りに、山梨県や九州で地方大会を開いていく予定だ。

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国家戦略特区となった秋田市仙北市にて開催される「Drone Impact Challenge ASIA CUP 2016」。4種類のトラックレースのほかフリースタイル競技も行われる。

 このアジアカップ競技会には、アジア8ヵ国から8名のトップパイロットが招聘され、ハイレベルな競技が行れる。またドローン有識者によるシンポジウムや、大規模なドローンスクールを開催、田沢湖の美しい渓谷を映像に収めた観光紹介も行っていく。

【次ページ】地方創生としてのドローンをどう活用すべきか?
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