- 2014/03/19 掲載
「SDNの前にNFVが急速に進む」ネットワーク仮想化が進展 ブロケードがVyatta本格展開
発表に合わせて来日した元VyattaのCEO兼取締役のケリー・ハレル氏は、Software Defined Networking(SDN)で盛り上がり、かつ同社のNFV製品を世界で初めて導入した日本市場への期待感を示した。
昨今、サーバ仮想化、クラウドの進展に伴い、ネットワークの仮想化が注目を集めている。SDNはその代表的な動きだが、統合管理に向けて「段階的に実現されていくもの」(ブロケード 代表取締役社長 青葉雅和氏)と言える。
一方のNFVは、既存のルーター製品の仮想化であり、「枯れた技術を使った既にある製品」(ハレル氏)のため、「SDNに先行して急速に進展する」とみているという。
では、NFVは本当に必要とされているのだろうか。この点についてハレル氏は、サーバ性能の向上に合わせて、そのサーバの搭載ポートも1GBpsから10Gbpsへと拡大している一方で、その利用率は30%程度に過ぎないと指摘。サーバ仮想化によって、マシンパワーの有効活用は進んだが、ネットワークは生かし切っておらず、ここにNFVの存在意義があるとした。
ハレル氏はこれは一例に過ぎず、NFVは大きく3つの価値を創出すると説明する。1つめは、迅速なスケールアップ&スケールダウンが行えること。2つめは、利用効率の最大化を実現できること。そして3つめは、サービスの迅速な展開とそれによるコスト削減を実現できること。
同社のNFV製品であるVyattaの導入は日本の新日鉄住金ソリューションズが世界に先駆けて導入したが、その後はAWS、IBMなどが導入。Rackspaceでは、ユーザーの要求に応じて、同社のNFV製品「Vyatta」を瞬時に実装できる環境を用意しているという。
同社が提供するVyattaの製品ラインアップは、1Gbpsスループットでクラウド&中~大規模エンタープライズ向けの「5400 vRouter」、10Gbpsスループットで大規模エンタープライズ&通信事業者向けの「5600 vRouter」の大きく2種となる。
また今回、日本で新たにCTCとネットワールドが新たにディストリビューター契約を締結した。既存のパートナーにもSoftware Networkingのカテゴリを追加するが、青葉氏は「これまでのネットワークのノウハウに限らず、ハードウェアやソフトウェアのノウハウが求められるため、新しいパートナーとの取り組みが必要となった」と説明した。
CTCは買収前のVyattaと2011年からディストリビューター契約を締結していたが、「2011年時点ではまだ早かった。しかし、ここ数年で仮想化が一気に進み、ネットワーク仮想化へ機運の高まりを感じている」(CTC エンタープライズ技術推進部 部長 河原塚 勉 氏)と説明。また、「仮想ルーターは、お客さまも積極的に触っていくので、教育も非常に重要」として、インテグレーションに加えて、教育サービスの提供も実施していくとした。
ネットワールドでは、VMware/Citrixなどのディストリビューターとして、OS仮想化からサーバ仮想化、そしてデスクトップ仮想化へと進めてきているが、「次はネットワークの仮想化」(ネットワールド 常務取締役 SI技術本部長 野村栄司氏)と位置付け、Vyatta製品を展開していくとした。5月1日から出荷を開始するという。
文中で一部記載が誤っていました。本文は修正済みです。ご迷惑をおかけした読者ならびに関係者にお詫び申し上げます。
誤:取締役 SI技術本部長 野村英司氏
正:常務取締役 SI技術本部長 野村栄司氏
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