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- 2012/11/02 掲載
東京海上日動システムズ 横塚裕志社長:システムの開発期間を半減にする取り組み
今後のシステム構築はアジャイル開発に集約
現在のITには“アジリティ”が求められている
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バイスプレジデント兼
エグゼクティブパートナー
重富俊二氏
たとえば1980年までのホスト全盛時代に情報システムが主に担っていた機能は集中処理で、その目的はコスト削減だった。それが今ではテクノロジーの中心にクラウドやビッグデータ、あるいはモバイルやソーシャルなどがあり、ITにはビジネスにイノベーションをもたらすことが要求されている。その時に中心となる概念が、“アジリティ(=俊敏性)”だ。
「先がなかなか見通せない昨今、マーケットや顧客の反応をいち早く掴み、システムやビジネスに反映させていくことが非常に重要な経営課題となっている。」(重富氏)
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開発期間の半減を目指す「Challenge50 Start」プロジェクト
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代表取締役社長
横塚裕志氏
「Challenge50 Startではシステム開発のスピードを2倍に、逆にいえば開発期間を50%に短縮しようという目標と、ビジネスでいかに効果を上げるかという点に焦点を当てた。スピードが上がれば自然と開発コストも下がる。」(東京海上日動システムズ 代表取締役社長 横塚裕志氏)
そこで横塚氏は、仕事の品質についての捉え方を大きく変革しよう考えた。これまで同社が掲げていた品質向上の目標は、分母に「生産量」を、分子に「トラブル数」を置いた値を極小化することだった。この時に考えるべきは、いかに生産量を拡大するか、あるいはいかにトラブル数を減らすか、という施策だった。
これを改め、Challenge50 Startでは分母に「生産量」を、分子に「効果」を置いた値に、「スピード」をかけたものをいかに極大化するか、を目指すことにした。
またChallenge50 Startでは、“Learn&Change”を基本スタンスに据え、各部署やチームの主体的な取り組みによって、新しい技術や方法論にチャレンジしている。現在95もの詳細プロジェクトが走っているとのことだ。
「学んでは実践し、あるいは変えて、よりよいものにどんどんしていく。これに会社全体として取り組んでいる。」(横塚氏)
たとえばスピードアップのためには、システムは“作らないで”作る。つまりクラウドサービスやパッケージソフト、オープンソースソフトウェア、あるいはルールエンジンなどを活用し、自分たちで作る量を減らして効果的なシステムを構築するということだ。さらには汎用化/部品化やアジャイル開発といった方法論も取り入れて、いかに開発スピードを上げるかを追求している。
【次ページ】米国視察によって痛感した最大の問題点
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