- 2011/10/18 掲載
コロケーション/ホスティング合わせたデータセンターアウトソーシング市場、2011年には1兆円規模に
2011年の国内データセンターアウトソーシング市場における東日本大震災の影響は軽微なものにとどまった。2010年までの同市場では、リーマンショック以降の景気低迷の影響によって、市場成長率が低下傾向にあった。しかし震災とそれに続いた電力供給不足の経験を踏まえて、多くの企業でITの災害対策強化に対する意識が向上。データセンターアウトソーシングはITの災害対策強化の有効な手段として再評価され、2012年には国内データセンターアウトソーシング市場の前年比成長率は12.4%に上昇すると、IDCではみているという。
また、クラウドサービスの利用拡大が、国内データセンターアウトソーシング市場の動向に大きな影響を与えることも今回の調査でわかったという。データセンターアウトソーシングには、サーバ設置場所を貸し出す「コロケーション」と呼ばれるサービスと、データセンター事業者が所有するサーバを顧客に提供する「ホスティング」と呼ばれるサービスがあるが、クラウドサービスは、このうちの「ホスティング」に分類されるサービスに該当する。サービスの導入が容易で、利用コストの安価なクラウドサービスが普及することによって、コロケーションからホスティングへスイッチする企業が今後増加するものとみているという。

国内市場では今後、景気回復やインターネット企業(ソーシャルアプリプロバイダーなど)によるホスティング利用の拡大を背景として、市場成長率が上昇に転じるという。
「大震災後の災害対策需要やクラウドサービス需要の掘り起こし戦略を策定/実施することが、データセンターアウトソーシング事業者の重要課題であり、そのためには複数拠点のデータセンター間のシステム連携や、パートナー戦略の展開が重要となる」(IDC Japan ITサービス リサーチマネージャー 伊藤 未明氏)
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内データセンター市場2010年の実績と2011年~2015年の予測: インターネットデータセンターおよびアウトソーシング総合分析」(J11611001)、「国内データセンターアウトソーシング市場 2010年の実績と2011年~2015年の予測: ユーザー実態調査」(J11250102)、「国内インターネットデータセンター市場 2010年の実績と2011年~2015年の予測」(J11030104)にその詳細が報告されている。
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