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- 2010/06/21 掲載
創業2年で売り上げ3.5億ドルへと急成長した企業Grouponの秘密【○○はビジネスになるか(11)】
ディスカウントチケットの共同購入
今回ご紹介するGroupon(http://www.groupon.com/)は、この共同購入に新しいアイデアを取り込んだサービスだ。Grouponは、「グループ」と「クーポン」の造語だ。その名の通り、サービスや商品の格安ディスカウトクーポンをグループで買えるネットショップである。サイト内は、都市単位に分かれており、毎日、それぞれ1点ずつ新しいクーポンが売りに出される。クーポンを出した店のプロフィールと、ユーザーレビューが載っており、興味を持った人向けの掲示版も用意されている。
これらのクーポンは2日程度の期間限定で、それぞれの店が設定した数の購入希望者が集まった段階で、初めて売買が成立する仕組みだ。もし、希望者が期間内に設定数に達しなかったら、不成立となる。内容は、レストランの食事券、フィットネスの利用券、ゴルフのラウンド券、ハウスクリーニング券、そして日用品、家庭用品などなどさまざまだが、その地域の施設や店で使うものがそろっているのがミソだ。
たとえば、ニューヨークで、ある日、27ドルの遊覧船ツアー券が、52%引きの13ドルで売りに出されて、最低設定数200人に対し7503人が購入した。計算すると売り上げは9万7539ドルとなる。また別の日に、ナッシュビルでは、100ドル分の家具を25ドルで売るホームストアのクーポンに937人が応募した。設定は20人だったので、必要数はクリア。売り上げは2万3425ドルとなる。
ネットユーザー、店、Grouponの“三方得”
Grouponの統計によると、6月10日現在、600万枚近いクーポンが売れ、ユーザーにとっては、計約2億4000万ドルの節約になったという。店側にとっては、効果的な販促となる。Grouponの調査によると、過去に出品したビジネスパートナーの95%が「また使いたい」と回答しているという。
ユニークユーザー数は昨年8月に100万に達し、今年3月に300万を突破した。ビジネスはすでに約1年前に黒字化し、IT系メディアのTechCrunchでは同社が年間で3.5億ドルも売り上げていると報じている。さらに最近、第4ラウンドの資金調達で1億3000万ドルの資金を獲得。企業評価額は13億5000万ドルにのぼる。
こうした爆発的な成功の背景には、WalmartやAmazonなどの大手に対抗して、創業者でCEOのアンドリュー・メイソン氏がとったユニークな戦略があった。
【次ページ】新タイプのサービスの構築
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