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  • 2009/08/11 掲載

クラウド時代のデータセンターに求められるインフラの標準化に挑む--ブロケード 社長 青葉雅和氏

【ITキーパーソンインタビュー(20)】

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昨年末、LANスイッチ大手のファウンドリーネットワークスを買収したブロケードコミュニケーションズシステムズ。同社はSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)向けのファイバーチャネルスイッチなどを提供する最大手ベンダーとして有名だが、この大型買収によって高速LANスイッチ製品群などを獲得することになり、SANとLAN両方の顔をもつベンダーとなった。クラウド時代のデータセンターに求められるネットワークとストレージの要件とは何か、そして同社の新体制や戦略、展開などについて、ブロケードコミュニケーションズシステムズ 代表取締役社長の青葉雅和氏に伺った。

製品の融合に向け、開発・製造に対する積極的な投資を集中的に行う

ブロケードコミュニケーションズシステムズ 代表取締役社長 青葉雅和氏

ブロケードコミュニケーションズシステムズ
代表取締役社長
青葉雅和氏

──まず直近のビジネス状況についてお聞かせください。

 ビジネスの状況ですが、第2四半期の結果はグローバルで前年度比43%と好調な伸びを示しました。国内については、ご存じのとおり、ほとんどのITベンダーが厳しい状況ですが、その中で昨年と比べてフラットな状態を維持できました。相対的に見ると堅調に成長しているといえるでしょう。マーケットの期待感もありますから、より高い成果を上げていく必要はありますが、いまはグローバルで積極的な投資を行い、新ビジネスを創出していく時期だと考えています。国内のビジネス規模については、現在の3倍以上に成長させたいと目標を立てています。

──具体的にはどのような投資を考えていますか?

 新しい製品を融合していくために、製品開発・製造に対する投資を増やしていきます。従来のファウンドリーネットワークス(以下、ファウンドリー)と、ブロケードコミュニケーションズシステムズ(以下、ブロケード)の開発・製造プロセスに関する手法は、相当異なっていました。もともとブロケードは、データセンターでも高い信頼性が求められるストレージネットワーク向けに、ファイバーチャネルをベースとした製品を、OEM中心に展開しており、ミッションクリティカルな環境で豊富な実績を誇っています。これらの製品については、当然ながら高い品質が求められ、そのためのテストも厳しく行われてきました。ファウンドリー製品の品質が一般的なネットワーク機器と比べて劣っていたわけではありませんが、従来のブロケード製品と同等の品質をネットワーク製品にも求めようとすると、別の形のプロセスが必要になるわけです。そこで投資を集中的に行っているところです。グローバルでは、パートナーとの共同開発検証に10億ドルの投資を実施しています。

──人的な投資はいかがでしょうか?

 人的な投資についても重要だと考えています。国内では2012年までに、現在数百名程度いるブロケード認定技術者を5倍程度に拡大したいと考えています。また、販売・サポート人員の採用を積極的に進めており、2倍程度には強化します。直近では、国内のサービスプロバイダー市場をサポートする専任部隊として、日本と米国に3~4名程度配置しており、3~5年後といった中長期的な観点でサービスプロバイダーに求められるような機能を取り入れていく活動を行っています。

──ブロケードのファウンドリー買収によって、どのような変化が生まれましたか?

 ファウンドリーのビジネスは、ハイタッチと呼ばれるセールスが直接お客様に提案するというモデルが中心でした。しかし、リソースが限られている中、ハイタッチだけでは規模の拡大が望めません。また、国内のお客様の場合、製品技術だけでなく、しっかりしたサポート体制を整えることも、新規の導入を促進するためには必要でした。一方のブロケードは、強力なOEMパートナーシップによって実績を積み上げていたものの、お客様との直接の関係構築は思うようにできていませんでした。今回の統合は、両社の強みを生かして、お互いの足りない部分を補完する組み合せだったと思っています。お客様およびパートナーとの関係を深く強固なものにしていくことで、結果的に、旧ファウンドリーのお客様が持たれていた「ファウンドリー製品はどうなるのか?」という不安を払拭し、新しいブロケードに対してさらに高い評価をいただけるだろうと考えています。

──御社はストレージ関連ビジネスのOEM展開を積極的に実施されています。OEMと自社ブランドのワールドワイドでの割合と、今後の推移について教えてください。

  ファウンドリー買収前のブロケードは、OEMビジネスを8:2の割合で展開していました。チャネルビジネスがほとんどであったファウンドリーの買収によって、その比率は6:4ぐらいになりました。OEM比率そのものに対するターゲットは特に設定しているわけではありません。今後のことについては、OEMあるいはチャンネルパートナーと相談しながら、どの分野を強化するかという戦略により、その比率も変わってくるでしょう。

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