• 2024/11/27 掲載

「世界初導入」ロボットが支えるBEAMSの新物流拠点、アパレルの次世代自動化技術(4/4)

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「HaiPick SYSTEM」で高速処理と効率的な商品管理を実現

 ハイロボティクス「HaiPick SYSTEM」については「保管場所の1つとして捉えている」という。57台のACR(ロボット)が出荷指示を投げられたバケット(オリコン)を取り出し、「HAI PORT」という連結機械に流して、順次コンベヤーに流し、ソーターのインダクション(商品供給口)まで届ける。

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ハイロボティクス「HaiPick SYSTEM」
(出典:筆者撮影)

ビームス ウエアステーション「HaiPick」HAI PORTへの接続・出庫

 HaiPickからのインダクションは4つ。4人が画面に指示された商品をバケットからピッキングして、手元のスキャナーで取って読んで、またソーターに流していく。この流れを各店舗だけでなく、自社ECまですべて仕分けしていく。

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HaiPickから出庫されたバケットから商品をインダクションでピッキングする
(出典:筆者撮影)

 「HaiPick」の処理能力は1時間あたり1500~1600バケット。思っていたよりも速いそうで、インダクションでのバケット待ちは発生していない。

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3Fの入荷エリア。右側がCUEBUSで搬送するZラックのエリアで、左側がハイロボティクス「HaiPick SYSTEM」に収納されていくコンベヤー。灰色のバケットがそのまま収納される
(出典:筆者撮影)

 「HaiPick」への入庫に関しては、CUEBUSで運ぶ「つるし」同様、3Fで荷受けした商品を奥のスペースに仮置きして検品し、順次登録していく。バケットにもZラック同様、什器IDが付けられており、検品台でどの商品がどのバケットに入っているかをひもづける。登録し終わった商品は搬入用コンベヤーに載せられ、そのまま垂直搬送機を使ってコンベヤーを乗り継ぎながら6Fまで上げられて「HaiPick」にどんどん入っていく。

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垂直搬送機で「HaiPick」のある上階へ運ばれていくバケット
(出典:筆者撮影)

 なおビームスの自社ECの場合は、仕分けから埃取りのような商品整理、服の畳直しや、梱包(こんぽう)まで全部この倉庫で行っている。「DPL江東深川」にはビームスが使っているヤマト運輸も入居しており、そのまま引き渡して出荷となる。

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自社EC商品は梱包・出荷まで行う
(出典:筆者撮影)

 長期滞留させる商品は例外だが、基本的に「HaiPick」に入れられる商品であればすべて入れているという。新規入庫のときにマスターを作り、基本的には形と大きさで判断して「入れる」と判断したものは次からは即座に入れていくことになる。

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商品の大きさに合わせて自動梱包されて出荷される
(出典:筆者撮影)

アパレル事業者が今1番望むマテハン機器とは

 なお、入荷のトラックバースは2つ使っている。限られたスペースしかないので、パレタイズやパレット搬送などは自動化していない。ただ「今後はあり得なくはない」とのことだった。

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ビームスが入居している「DPL江東深川」の休憩室。内装のデザインなどもビームスが手がけたが、それは入居が決まる前だったとのこと
(出典:筆者撮影)

 深川拠点の今後については「まずは使いこなしと安定稼働に注力している状況で、具体的な将来までは考えられていません。ですが長らくいる倉庫になると思うので、常に状況に沿った動きができるようアンテナを張り続けたいと思います。」(幡野氏)。

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「DPL江東深川」エントランス。この内装デザインも休憩室同様、ビームスが手がけている
(出典:筆者撮影)

 大阪拠点への自動化機器導入の検討も進めていくことになる。

 アパレル事業者として欲しいマテハン機器はあるのかと聞いてみたところ、「ハンガー品の仕分けができるマテハン機器があったら良いのにとずっと思っています」とのことだった。以前の物流拠点にはハンガー用のソーターがあったが、アパレル企業にしか需要がないとのことで、すでにメーカーが撤退してしまっており、ノウハウも失われていた。上からつり下げる機器だったので天井の梁(はり)スパンが変わると設計もやり直しで、移管ハードルが高く、あきらめたという経緯がある。

 ほかにも大掛かりなものはなくはないが、高くつく。ビームスでも「CUEBUS」を搬送だけではなくソーターとしても扱えないかと考えて検討したそうだが効率が上がらず、「とても投資対効果が出ない」と判断した。より手頃な予算で導入しやすい、ハンガー対応のソーターがあると良いのに、と思っているという。

トヨタL&F導入事例 ポケットソーター(株式会社ZOZO様)

 もう1つ、あれば良いと思っている機器は、洋服を畳み直せる機器だそうだ。こちらも、すでにあるにはあるが、動作速度が遅く、人間が手でやったほうが速い。このあたりに技術シーズを持つ企業はチャレンジしてみると良いかもしれない。

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